2010 Fiscal Year Annual Research Report
人工心臓装着用Minimum Invensiveデバイスの開発
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22700504
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Research Institution | Ibaraki University |
Principal Investigator |
青代 敏行 茨城大学, 産学官連携イノベーション創成機構, 非常勤研究員 (40571849)
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Keywords | タンパク質変性 / 人工心臓 / 手術支援 / 生体組織接合 |
Research Abstract |
人工心臓装着手術は縫合によって行われているため,人工心臓脱血管と心臓の装着部分からの細菌侵入が問題となっている.細菌侵入の阻止可能なレベルで人工心臓と心筋や大動脈血管を接合することを目的とした熱・振動・圧力の複合低エネルギによる人工心臓装着手術装置を開発する.平成22年度は,接合実験装置の開発と人工心臓装着手術装置の基本設計・試作を行った. 接合実験装置として,接合対象以外に熱を与えず効率的に加熱できる専用加熱装置とランジュバン振動子を用いた専用振動装置を開発した.専用加熱装置は,断熱層を設けた構造のヒータについて,伝熱解析と昇温実験から加熱装置の形状と断熱材を決定した.断熱材にセラミックウールとフッ素樹脂を用いることで,ヒータを30秒で室温から150℃に加熱したとき加熱装置外部温度は90℃であり,開発した専用加熱装置は十分な断熱性を有していることを確認した.専用振動装置は,円筒形ピエゾ素子とランジバン式振動子を用い,さらに振動振幅を増幅するためのステップホーンを設けた構造とした.振動解析を用いて振動装置の形状を決定した.振動振幅測定結果より,ステップホーンを用いることで振動は増幅され,振動周波数11.84kHz,振動振幅22μmの振動を発生できることを確認した. 人工心臓脱血管の構成材料であるチタン材,ステンレス材の心筋組織への接合を試みた.心筋組織と人工心臓脱血管の接合は可能であり,熱量に比例して接合強度は大きくなることが分かった. 安定した手術を行うための装着手術装置を心臓に固定する機構,接合対象に圧力を印加する機構を含む人工心臓装着手術装置の基本設計・試作を行った.装置固定方法に,空気吸引方式を採用することで,強固な固定を実現できることが分かり,人工心臓装着手術装置の設計指針の一部を確立した.
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Research Products
(3 results)