2011 Fiscal Year Annual Research Report
人工心臓装着用Minimum Invensiveデバイスの開発
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22700504
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Research Institution | Ibaraki University |
Principal Investigator |
青代 敏行 茨城大学, 産学官連携イノベーション創成機構, 非常勤研究員 (40571849)
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Keywords | 手術機器 / 人工心臓 / 生体接合 / 低損傷 / 低侵襲 |
Research Abstract |
本研究は,人工心臓用送・脱血管と大動脈血管・心臓接続部からの細菌侵入阻止と人工心臓装着手術の低侵襲化を目的に熱・振動・圧力の複合低エネルギ生体組織接合技術を利用した人工心臓装着手術装置の開発を行っている. 平成23年度は,人工心臓装着支援装置の基本設計・試作結果をもとに,複合低エネルギ生体組織接合技術を組込んだ脱血管の基本的設計・試作,ブタ心臓を用いた脱血管接合性能の評価を行った. 脱血管構造は心臓と接触する外管と血液が流れる内管による二重管とした.外管と内管の間に空間層を設け,脱血管は外管に巻き付けたニクロム線によって心臓接触部のみを加熱する.また真空ポンプによる陰圧で外管に心筋組織を吸い寄せるために内管・外管側面に貫く穴をあけ,心臓接触部に均一な接合圧力を起こすための溝を外管円周方向に設けた.構造・伝熱解析を行い,熱・圧力印加機能を有した脱血管を設計した.外管と心筋組織の広い接合面積と高い接合圧力を得るための外管溝形状は,心臓と脱血管外管接触部をモデル化した静的構造解析から脱血管と心筋組織間の圧力分布および最大圧力を求めて,決定した.心臓と外管の接合部における加熱効率を上げるために,内管と外管を断熱する。内管と外管の断熱を確保するために静的構造解析より決定した外管と内管の接触部分の伝熱解析を行い,外管と内管の接触部構造を決定した. 設計した人工心臓用脱血管と心臓の接合可否確認と接合強度を評価するために脱血管を試作した.脱血管外管と心筋組織の接合部温度100℃,空間層圧力-0.099MPa,時間120秒の条件において,心臓と脱血管の接合が可能であることを確認した.そのときの接合強度は50Nであり,接合後の心筋組織に顕著な組織炭化は見られなかった.低損傷で高強度を実現する複合低エネルギ生体組織接合技術を利用した人工心臓装着支援脱血管を開発した.
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Research Products
(2 results)