2010 Fiscal Year Annual Research Report
新しい内視鏡の応用・心嚢内視鏡を用いた心不全治療の開発と最適化
Project/Area Number |
22700512
|
Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
木村 雄弘 慶應義塾大学, 医学部, 特任助教 (20449002)
|
Keywords | 心嚢内視鏡 / 低侵襲手術 / 心不全治療 / 細胞移植 |
Research Abstract |
既製の内視鏡システムを心嚢内で運用することで、低侵襲で心嚢内手術(特に細胞移植)に最適化したマニピュレータを開発することを目的とした。また、心外膜からの不整脈治療や、ペースメーカ植込術に応用できる技術を確立することを目的とした。 全身麻酔下の閉胸雑種成犬を用いて、セルディンガー法により心嚢内に内視鏡を挿入して心嚢内の視野を確保した。各種マニュピュレータープロトタイプを用いて、心嚢内で細胞移植シミュレーション、ペースメーカーリード挿入術を行い、器具の最適化を行った。 従来血行動態への影響の少ない軟性鏡を用いていたが操作性が悪く、硬性鏡を用いた実験を行った。その結果、操作性視認性が飛躍的に向上し、懸念された血行動態への影響も軽微であった。また体位変換を行い、硬性鏡を左房後壁側まで到達させる事に成功した。細胞移植器具プロトタイプを作製し、安定して細胞移植プロセスが可能な事を確認した。ペースメーカーリード挿入に関しても今後器具の改良は必要だが、低侵襲に挿入することが可能であることを確認した。 我々が考案した空気による心嚢腔拡張は、心タンポナーデ等の血行動態の変化をきたす事無く心嚢内視鏡治療が可能であった。空気によらない視野確保の方法も現在考案中である。今後慢性期まで癒着が少なく、繰返し移植操作が可能な手技の開発が必要となることが予想される。 心嚢内視鏡による細胞移植手技は、硬性鏡を用いる事で操作性が飛躍的に向上し、血行動態にも大きな影響を及ぼさず安全に移植が可能であった。
|
Research Products
(2 results)