2011 Fiscal Year Annual Research Report
キセノン光線の星状神経節近傍照射を用いた新たな脳活性化法の検討
Project/Area Number |
22700523
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Research Institution | Hirosaki University |
Principal Investigator |
吉田 英樹 弘前大学, 大学院・保健学研究科, 講師 (20400145)
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Keywords | キセノン光線 / 星状神経節 / 脳 / 活性化 / 脳血流動態 / 自律神経活動動態 |
Research Abstract |
1.目的 本研究では、キセノン光線の星状神経節近傍照射により脳活性化効果が得られるか否かについて、脳血流動態変化の観点から解明することを目的とした。 2.対象と方法 本研究への参加に同意の得られた健常者29名を対象とし、各対象者に対して(1)安静仰臥位での両側の星状神経節近傍への10分間のキセノン光線照射(Xe-SGI)と、(2)Xe-SGIを伴わない10分間の安静仰臥位保持(コントロール)の2条件を実施順序をランダムとした上で、日を改めて実施した。検討項目としては、Xe-SGIおよびコントロールの実施前および実施中に測定された心拍変動周波数成分および上肢皮膚温(自律神経活動動態の指標)に加えて、Xe-SGIおよびコントロールの実施前および実施中に前頭部で測定された総ヘモグロビン量(以下、tota1-Hb:脳血流動態の指標)とした。 3.結果と考察 心拍変動周波数成分および上肢皮膚温については、Xe-SGIの実施前後でのみ交感神経活動の抑制ならびに副交感神経活動の亢進を示す所見が認められた。これに対して、total-Hbについては、Xe-SGIおよびコントロールの実施前と比較して各条件の実施中での明らかな変化は認められなかった。以上の結果から、Xe-SGIは自律神経活動動態の変容(交感神経活動の抑制および副交感神経活動の亢進)を引き起し得るものの、脳血流動態に直接的な影響を及ぼし得ない可能性が示唆された。このような観点から、Xe-SGIにより脳活性化効果を得ることは困難ではないかと推察された。
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