2010 Fiscal Year Annual Research Report
脳卒中後遺症者における全身振動刺激装置を用いた運動介入が筋機能に与える影響の解明
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22700524
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Research Institution | Hirosaki University |
Principal Investigator |
藤田 俊文 弘前大学, 大学院・保健学研究科, 助手 (60431441)
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Keywords | 全身振動刺激 / 筋パワー / 無酸素性パワー / 脳卒中 / リハビリテーション |
Research Abstract |
1.平成22年8月26日に本研究概要を弘前大学大学院医学研究科倫理委員会に申請し、平成22年10月14日付で承認された。2.脳卒中患者を対象に、全身振動刺激装置を用いた運動介入を行った報告はほとんど見当たらないため、リスク管理の一貫として循環動態の変化を確認し、その上で負荷量の設定方法について検討することとした。まずは健常人20名(男性11名、女性9名)、年齢20.2±2.2歳を対象に実施した。全身振動刺激装置G-Flex上に足部を20cm開いた状態で膝関節を約45度屈曲位の状態で立位を保持し、1)振動刺激あり(30Hz、3分)と2)振動刺激なしの2パターンについて循環動態と自覚的運動強度(Brog指数)を評価した。振動刺激あり・なしでの1分ごとの比較、また経時的な変化について比較した(血圧測定は1分目と3分目)。結果として、心拍数は振動刺激あり1分目、2分目で有意に高く、3分目では有意差は認められなかったが振動刺激なしより高い傾向であった。収縮期血圧においても同様に1分目、3分目で有意に振動刺激ありで高い結果となった。振動刺激ありの経時的変化では心拍数、血圧とも運動1分目での循環動態の反応性が高い結果であり、その後は急激な上昇は見られなかった。Borg指数で時間経過と共に増加していており、これらの結果から、振動刺激ありでは短時間に循環動態が変動しやすく、時間経過と共に自覚的な運動強度が増加することが判明した。また、運動終了後座位2分程度で循環動態が安定することも判明した。この結果より脳卒中患者に対して試行的にプロトコルを作成した。振動刺激時間を30Hz、30秒、休憩2分の5セットとして、2名の対象者に実施し循環動態を確認した。振動刺激時は安静時より心拍数15bpm程度上昇するが心拍数100以上にならず、Borg指数も13程度でややきつい程度であった。プロトコルについては、身体機能レベルによる違いも考えられるため、脳卒中患者を対象とする場合はさらなる検討が必要である。
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