2010 Fiscal Year Annual Research Report
失語症に対する経頭蓋磁気刺激と経頭蓋直流電気刺激の解明
Project/Area Number |
22700526
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
森 隆行 東北大学, 病院, 医員 (00436148)
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Keywords | 失語症 / 経頭蓋磁気刺激 / リハビリテーション / 経頭蓋直流電気刺激 |
Research Abstract |
研究代表者は、脳卒中片麻痺患者や失語症患者に対してTMSを行った経験があり、失語症患者に対してのTMSでは、右Broca相同領域と補足運動野を刺激した場合の効果を示した。今までの研究結果を元に、本研究では、TMSと同様に皮質興奮性を変化させることが可能である経頭蓋直流電気刺激(transcranial direct current stimulation:以下tDCS)を用いて、脳機能に与える影響を明らかにすることを目的とした。 平成22年度は、被験者のエントリー基準、tDCSの刺激方法、検査方法についての検討を行った。被験者は発症後3ヶ月以上経過した脳血管障害後の患者とし、tDCSや研究の趣旨について十分に理解する必要性があるため、認知障害がないことを条件にした。頭蓋中に金属の埋込みをしている者、てんかんの既往のある者、心臓ペースメーカーを有する者は除外とした。tDCSの刺激方法は、健側の運動野直上の頭皮上にパッド電極の陰極を置き、患側の眼窩上に陽極を置いて1mAの直流電流を10分間通電することにした。この方法により、健側を抑制させ、相対的に患側を賦活させる効果を期待する。tDCSの前後に行う検査は上肢の運動機能の評価としてStroke Impairment Assessment Set(SIAS)とした。また、刺激前後に表面筋電図を測定し、振幅の増減を調べることとした。 tDCSに関するこれらの研究計画を、東北大学倫理委員会に提出し承認を得た。検査方法とtDCSの刺激方法について平成22年度に検討した結果を元に、平成23年度は被験者のエントリーを開始しtDCSを行う。その検査結果に基づいてtDCSが脳卒中患者の脳機能に与える影響を検討する。
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