2011 Fiscal Year Annual Research Report
効率的トレーニング法解明の基盤となる筋衛星細胞活性化機構の研究
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22700530
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
田中 正二 金沢大学, 保健学系, 助教 (70422657)
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Keywords | リハビリテーション / 骨格筋 / 筋肥大 |
Research Abstract |
本年度は、まず、筋衛星細胞の活性化機構を検討するために、ラット前脛骨筋へ経皮的電気刺激を行い、単回の刺激持続時間の違いによる肝細胞増殖因子(HGF)、MyoD、myogenin mRNAの発現量の変化を調査した。その結果、それらの因子は非刺激群と比較して有意な差は見られなかった。データは標準偏差が大きく、刺激方法の改善が必要と考えられた。そこで、骨格筋への負荷方法を変更し、共同筋切断による足底筋持続的負荷モデルを作成し、共同筋切断後24時間、48時間のHGF、HGF受容体(c-Met)、MyoD、myogenin mRNA発現量および、それら因子の免疫染色、28日の筋線維横断面積を測定した。その結果、足底筋へ持続負荷を加えたラットでは、対側足底筋に対してHGF mRNA発現量は有意な変化はなかったが、徐々に増加傾向を示した。MyoD mRNA発現量は48時間後に有意に増加した。C-Metおよびmyogenin mRNA発現量は24時間、48時間とも有意に増加していた。28日間の足底筋持続負荷によって、対側足底筋に対して、筋湿重量で21%、筋線維横断面積で31%の増加が認められた。また、免疫染色において、myogenin proteinの発現は24時間後に増加していることが確認された。MyoD proteinの発現は24時間では確認できないかもしくは非常にわずかであったが、48時間では増加していた。c-Met mRNAの発現上昇が早期から見られたことから、in vivoにおいても、持続的負荷により筋衛星細胞の活性化および筋肥大にHGF-c-Metシグナル伝達機構が重要な役割を演じていることが示唆されたが、今後さらに検討が必要であった。
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