2011 Fiscal Year Annual Research Report
糖尿病患者における水中運動継続が心臓自律神経系活動および腎症進展抑制に及ぼす影響
Project/Area Number |
22700535
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
小野 くみ子 神戸大学, 保健学研究科, 助教 (30467667)
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Keywords | 2型糖尿病 / 水中環境 / ハンドエルゴメータ運動 / ダブルプロダクト / 心臓自律神経系活動 / 腎症 |
Research Abstract |
糖尿病(DM)治療は合併症の予防と進行抑制が大きな目的の1つである。運動環境の違いが患者の身体に及ぼす影響に関しては十分に明らかではない。本研究は、水中における座位ハンドエルゴメータ運動が2型DM患者のダブルプロダクト(DP)、尿中アルブミン排泄量(UAE)に及ぼす影響を明らかにすることを目的とした。対象は同意を得た2型DM患者7名であった。低強度座位ハンドエルゴメータ運動を20分間実施した。水中(W条件)、陸上(C条件)を設定した。DPはC条件と比較してW条件が有意に低値を示した。運動後のUAEに有意差は認められなかったが、W条件が低値を示す傾向にあった。これを踏まえ、2型DM患者に対し1週間に1回の頻度で3ヶ月間の運動継続効果を検討した。運動時の血圧上昇は運動継続によって抑制され、水中回復によって安静時の状態にまですみやかに回復した。安静時HRおよび回復時HRが低下するなど循環器系の適応が認められた。副交感神経系活動は最終回において全体を通して大きく亢進し、運動継続による自律神経系機能の改善が示されたものと考えられた。UAEは初回は運動後に高値を示したが最終回は微量アルブミン尿の判断基準を下回り、運動時の腎負担は大きくないものと考えられた。座位で運動することにより、下肢関節にかかる負荷を軽減することができ、運動に伴う関節痛などの二次的障害を防ぐことができる。剣状突起以下を浸水させることで運動直後のDPおよび回復時の収縮期血圧が有意に低値を示したことから、心負担が軽減できることが示唆された。尿中アルブミン排泄量は有意ではないものの浸水下での運動後は陸上運動と比較して低値を示す傾向にあったことから、腎にかかる負担も軽減できる可能性が考えられた。本研究の結果より、水中環境に運動肢以下をおくことで臓器負担が軽減できることから、安全で有効な運動処方ができる可能性が明らかになった。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(5 results)