2011 Fiscal Year Annual Research Report
自己意識傾向による自己内省時の神経基盤の違いに関する研究
Project/Area Number |
22700543
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
宮本 礼子 首都大学東京, 人間健康科学研究科, 助教 (70404944)
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Keywords | 自己 / 自尊心 / パーソナリティ / fMRI |
Research Abstract |
本研究では、単語分類を主体とした自己関連課題実行中の脳活動をfunctional Magnetic Resonance Imaging(以下、fMRI)によって計測し、この脳機能データと自己意識・自尊心とパーソナリティ検査のデータを解析することにより、自己意識傾向、自尊心傾向による内省時の脳活動の違いを明らかにするとともに、パーソナリティ特性の違いが脳内での認知処理過程に及ぼす影響について明らかにすることを目的とした. 実験には自己関連課題を採用した.研究への同意を得られた健常成人25名を対象に、fMRIを用いて課題遂行中の脳活動を計測した.また自尊心尺度を実験前、パーソナリティ尺度NEO-FFIを実験後に実施し,そのスコアと脳活動の関係性を検討した. その結果、自己-否定語条件vs.自己-肯定語条件では、両側前頭極外側部、右上前頭回、両側中前頭回、両側前部帯状回背側部、左後部帯状回、右上頭頂小葉、左上側頭回、左海馬傍回に活動が認められた.また自尊心尺度スコアと右前頭極の間に負の相関が認められた(r=-0.556、P=0.048).さらにNEO-FFIのNeuroticismの得点は、両側中前頭回と負の相関を示した(右半球r=-0.539、P<0.005、左半球r=-0.417、P<0.034).以上より自己-否定語条件下の潜在的葛藤を前部帯状回で危機として察知しながらも、前頭極および上側頭回で課題間の関係性や状況を予測し、上頭頂小葉で注意を上昇させながら取り組んでいることが示唆された.また自尊心尺度と前頭極との負の相関は、対外的に自分を低く見せようとする者ほど、葛藤に対し戦略を用いている可能性を示すと考えられた.NEO-FFIと中前頭回の相関は、神経症傾向のものが、次々に切り替わる課題への対応困難性を有している可能性を示した.
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(3 results)