2010 Fiscal Year Annual Research Report
患者中心の作業療法を実践するための作業療法意思決定支援パソコンソフトの開発
Project/Area Number |
22700544
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Research Institution | Kanagawa University of Human Services |
Principal Investigator |
友利 幸之介 神奈川県立保健福祉大学, 講師 (90381681)
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Keywords | 作業療法 / 意思決定 / Decision-aid / リハビリテーション / ADOC / 目標設定 |
Research Abstract |
我々は,作業療法の目標設定における意思決定を支援するためのiPadアプリである作業選択意思決定支援ソフト(ADOC)を開発中である.22年度は,ADOCの開発と,その信頼性と妥当性について検証した.対象は作業療法を実施中のクライエント92名(平均年齢70.5歳,男性42名,女性50名)とし,認知症が疑われるものは除外した.ADOCでの面接後に,意思決定の内容に関する自作のアンケートに答えてもらった.「満足度評価」に関して,信頼性は検者内信頼性にて検証した.すなわち,ADOCの満足度評価実施から1週後に満足度評価のみ2回目の評価を実施,1回目と2回目の満足度評価結果の級内相関係数(ICC)を求めた.妥当性は満足度評価であるLife Satisfaction Index K(LSIK)との併存的妥当性を検討した.有意水準は全て5%未満とした.なお,本研究は神奈川県立保健福祉大学倫理審査委員会の承認を得た上で実施し,対象者からは十分な説明をした上で書面による同意を得た.自作アンケートの結果は,「今回の話し合いで自分の希望や意見をしっかり言う事ができた」,「今回の話し合いで担当者から目標設定に関して十分な説明をうけた」,「今回の話し合いで自分の作業療法の目標を整理することができた」,「現在自分の作業療法の目標が何であるか明確に分かる」,「今回決めた作業療法の目標は自分自身の希望を反映したものである」,「今回決めた作業療法の目標は自分自身納得のいくものである」の全項目で高い値を示した.満足度の検者内信頼性は,優先順位1~5番目に選択された作業の満足度とも有意な相関が認められた.また満足度の併存的妥当性では,選択された作業全体の満足度の平均と,LSIKの因子の一つである「生活全体の満足度」の合計点とに有意な相関が認められた.これらの結果から,ADOCの意思決定部分は対象者にとって良い意思決定するといった妥当性を有しており,選出した作業の「満足度評価」に関しても信頼性と妥当性があることが示唆された.
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Research Products
(4 results)