2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22700551
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Research Institution | Niigata University of Health and Welfare |
Principal Investigator |
相馬 俊雄 新潟医療福祉大学, 医療技術学部, 准教授 (40339974)
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Keywords | 脳磁図 / 体性感覚 / 温冷感覚 |
Research Abstract |
本研究の目的は,温熱刺激装置を使用して,皮膚温度受容器である6つのTRPに対して,それぞれの活性化温度閾値の範囲にて温熱刺激を行い,脳磁界計測装置(MEG)にて大脳皮質の機能局在部位の三次元空間座標位置を算出して推定することである. 先行研究で使用されている温熱刺激装置は,刺激センサー部分がペルチェ素子(半導体素子)で製作されている.このペルチェ素子は,シールドルーム内での脳磁界計測装置(MEG)の計測において,温熱刺激時にセンサー部分からノイズ(電気信号)を発生してしまい,それがノイズとなって,大脳の微弱な脳活動の電位を計測することができなかった.そこで昨年度は,センサー部分にレーザー光線を用いて温熱刺激を行う装置の開発に取り組んだ.その結果,温熱刺激に伴うノイズ発生の除去に成功した.しかし,刺激持続時間や設定温度の調節などには,今後,さらなる開発と検討が必要であることがわかった. これまでに我々は,MEGを使用して正中神経および尺骨神経に対して,電気刺激の間隔や持続時間を変化させた時の体性感覚誘発磁界について明らかにしてきており,これまでの成果を発展させる研究である.本研究で,温度の違いによる大脳の機能局在部位が明らかになれば,リハビリテーションにおける皮膚表在感覚障害を呈した症例に対して温熱感覚検査を行った時の大脳皮質機能局在部位の同定つながると考えられる. 昨年度は,電気刺激を用いて,正中神経と尺骨神経を刺激した時の一次体性感覚野の機能局在について検討を行った.この研究結果から,温熱刺激時においても一次体性感覚野の機能局在解明の手掛かりになることが推察された. (文字数:684文字)
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
機器の開発や調整は計画通りであるが,被験者毎に指先の皮膚の厚さと発汗状態が異なるため,温度伝達が一定にならない.そのため,温度刺激に対する脳活動の変化が計測できない.
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Strategy for Future Research Activity |
被験者毎に異なる指先の皮膚の形状に対応させるため,指先にグリスなどを塗るなどの対策や,温度刺激装置の指先に対する接触圧を一定にするなどの検討を考えている.
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Research Products
(1 results)