2010 Fiscal Year Annual Research Report
中高齢者の両眼視線解析手法を用いた見え方の質に対する新指標
Project/Area Number |
22700552
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Research Institution | Kanazawa Medical University |
Principal Investigator |
初坂 奈津子 金沢医科大学, 医学部, 助手 (50505352)
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Keywords | 眼球運動解析 / 読書能力 / 中高齢者 / 両眼視線解析 |
Research Abstract |
中高齢者の加齢に伴う視機能の低下と読書能力の関係を、2009年に行なった門前町眼科検診より既存の読書チャート評価法を用いて検討した。40代から70代の健常眼を検討した結果、読書視力(読むことが出来る最小文字サイズ)や臨界文字サイズ(一番早く読める文字サイズ)は年齢による低下は見られかったが、文章(縦書き30文字)を読むスピードはどの文字サイズにおいても加齢に伴い遅くなることが確認された。文章をスビードの低下が、眼球運動解析を用いることにより、眼球運動の低下が原因なのか発話能力の低下なのかを区別できるだけでも重要性が高いと考えられる。 今年度は眼球運動を解析できるアイマークレコーダーと読書チャート組み合わせた両眼視線解析装置の作成した。既存の読書チャートは、プレートた印刷された文章を読んでいくため、何回か繰り返すうちに文章を覚えてしまうという欠点がある。今回はその欠点を補うため、PCを用いて液晶画面による提示を行なった。これにより50の文章をランダムに提示する事ができ、かつ実験をスムーズに進めることが出来る。部屋の照度の設定や画面の輝度(明るさ)、文字のコントラストを調整し、既存のチャートの結果と一致するように検討を行なった。通常、近見視力の測定では被験者と刺激提示の距離を30cmとしているが、繰り返し文章を詠んでいる間に頭の位署がずれる(より近くなる)ことが多い。そのためWEBカメラを取り付け、頭の位置を確認できるよう改良した。 この両眼視線解析装置を用い、健常成人(若者3名)の測定を行った。文字の大きさを3段階(1.0logMAR、0.5logMAR、0.1logMAR)にわけ、それぞれの文章能力と眼球運動を検討し、他覚的な評価を行なっている。
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