2010 Fiscal Year Annual Research Report
相反抑制機構改善を目的とした経皮的電気刺激手法の確立
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22700556
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Research Institution | Fujita Health University |
Principal Investigator |
田辺 茂雄 藤田保健衛生大学, 医療科学部, 講師 (50398632)
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Keywords | リハビリテーション / 脳神経疾患 |
Research Abstract |
現在,脳卒中患者の痙性とそれに伴う尖足に対する治療方法として,総腓骨神経に経皮的電気刺激を行う手法が研究されている.しかし,その電気刺激部位の決定は治療者の経験に頼り,決定に長い時間を要するため,患者への負担が大きい.また,有効な電気刺激条件についても十分な検討が行われていない. 本年度は,直径5mmの電極を48個配置した多チャンネル列電極を作成した後,健常成人を対象に総腓骨神経の分枝である深腓骨神経に経皮的電気刺激を行い,誘発される前脛骨筋のM波から最適な刺激点を同定した.当前陰極には5mm×16個(20mm×20mm)の電極を用い,腓骨頭直下より左右に15mm,下方に40mmの範囲で,5mmずつ移動させながら計測を行った.その結果,20mm×20mmの電極を5mmずつ移動させる手法では,選択的に深腓骨神経を刺激することが困難である可能性が示唆された.次に,陰極に5mm×1個(5mm×5mm)の電極を用いて同一範囲の計測を行った,その結果,腓骨頭後方(下腿後面外側)では前脛骨筋のM波振幅最大値が得られる一方,腓骨筋M波も出現した.したがって,この部位での刺激は総腓骨神経を主に刺激しているものと考えられる.その5mm前方では前脛骨筋のM波振幅は若干減衰(最大値の53.8%)し,腓骨筋M波は大きく減衰(最大値の12.8%)した.この結果は,腓骨筋を支配する浅腓骨神経への刺激を避け,前脛骨筋を支配する深腓骨神経を選択的に刺激できたために得られた結果と考えられる.すべての刺激点で刺激した中でもこの点が最も選択的に深腓骨神経を刺激出来たと考えらえる誘発電位を示した.
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