2010 Fiscal Year Annual Research Report
高齢者におけるアンチサッケードトレーニングに及ぼす頚部前屈姿勢の影響
Project/Area Number |
22700561
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Research Institution | Osaka Health Science University |
Principal Investigator |
清田 直恵 大阪保健医療大学, 保健医療学部, 助教 (90559189)
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Keywords | アンチサッケード / トレーニング / 頚部前屈姿勢 / 脳賦活作用 / サッケード前脳電位 / 前頭前野 / 近赤外分光法 |
Research Abstract |
若年者を対象に、頚部前屈姿勢でのアンチサッケードトレーニングを実施し、アンチサッケードのパフォーマンスおよびそれに関連した前頭葉機能に対する影響について検討した。被験者は、頚部前屈姿勢によるアンチサッケード反応時間の短縮が認められない健常若年者29名とし、彼らを以下の3群に分けた:頚部前屈姿勢(前屈角20度)にてトレーニングを行う群10名、下顎部を支持台に置いた安静頚部姿勢にてトレーニングを行う群9名、トレーニングを行わない群10名。中心固視点および4箇所の側方視標のうちの1つが1-3秒のランダムなタイミングで交互に点灯する視覚刺激を用い、30秒間のアンチサッケード課題を1日に20回実施した。トレーニングは、週3-5回、3週間に渡って実施された。トレーニングの前後に、安静頚部姿勢および20°頚部前屈姿勢の2つの姿勢条件にて、アンチサッケードにおける水平眼球運動、前頭前野の酸化ヘモグロビン濃度およびCzにおけるサッケード前陰性脳電位を測定した。3週間のトレーニングにより、アンチサッケードの反応時間および誤反応率は短縮および減少したが、頚部前屈姿勢でのトレーニングの特異的効果は認められなかった。酸化ヘモグロビン濃度およびサッケード前陰性電位は、頚部前屈姿勢でのアンチサッケードトレーニングによる特異的な変化が認められた。高齢対象者を念頭に入れた測定法およびトレーニング法についての検討とともに、若年者における頚部前屈姿勢でのアンチサッケードトレーニング効果について同定できた。脳賦活作用のトレーニングに新たな知見を加えることができたと考えられた。
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Research Products
(3 results)