2010 Fiscal Year Annual Research Report
統合失調症者の生活習慣に対する運動ガイドラインの開発
Project/Area Number |
22700562
|
Research Institution | Kobe Gakuin University |
Principal Investigator |
山本 大誠 神戸学院大学, 総合リハビリテーション学部, 助教 (10411886)
|
Keywords | 身体運動 / 統合失調症入院患者 / ライフスタイル / 運動ガイドライン |
Research Abstract |
本研究の目的は、統合失調症入院患者の生活習慣の実態調査を実施し、得られた情報から統合失調症入院患者に対する適切な運動ガイドラインを作成することである。平成22年度は、統合失調症入院患者の活動状況および生活習慣の実態を種々の側面から横断的に調査および分析を行い、現状の把握および問題点の整理を行った。研究に使用したデータは、活動量計、身体組成計、生活機能と生活満足度の調査として日常生活活動(BI : Barthel Index)、人生満足度(LSI : Life Satisfaction Index)について評価を行った。また、精神機能の評価は、陽性・陰性症状評価尺度(PANSS : Positive and Negative Syndrome Scale)を使用した。精神症状に影響を及ぼす服薬量についてはクロルプロマジン換算で算出した服薬量をデータとして用いた。対象者の募集は、平成22年度7月の地点で精神科病院入院中患者に対してインフォームドコンセントを実施した。その結果、同意が得られた対象者は14名(平均年齢61.4歳±5.0歳、男性7名・女性7名)に対して9日間の調査(前後1日の予備データ収集を含む)を実施した。対象者の活動量データの分析から、各対象者の活動量(歩数3274.7±2266.2歩・基礎代謝量1190.6±288.7kcal・活動エネルギー量327.6±240.9kcal)に個人差が大きいこと、入眠および睡眠時間など生活リズムにバラツキがあることが明らかになった。今回の調査では、服薬量と各身体活動のデータに関連性は認められなかった。本年度の成果から、統合失調症入院患者の調査を実施するに当たり、日中の身体活動に重要な影響を及ぼす睡眠についても量的および質的な評価の実施を追加することが課題である。
|