Research Abstract |
H24年度終了時に脳卒中のリハの標準化・質の向上につながる我が国独自のエビデンスを構築に貢献できる内容にするため,平成22年度では,まず多施設型リハ患者データバンクを用い,これまでの研究成果を発展させ,リハ帰結の阻害因子(危険因子,併存疾患)についての分析,予後予測式の作成・検証等,現在のデータ増加とリハ帰結に関与する因子について分析をする計画を立てた. 平成22年度に実施した研究成果として, (1)多施設参加型リハDBへ蓄積されたデータが約4000例から5000例を超え,現在も増加しつつあり,エビデンス構築に意義のあることである. (2)登録データを用いて,脳卒中の再発危険因子で最も重要と考えられる糖尿病に着目し,リハ帰結について分析を行った.そこで,糖尿病がリハの帰結に悪影響を与えることが日本で最も多いデータで明らかにした. (3)それらをリハスタッフの中核を担う全国の理学療法士が集う日本理学療法学会で発表し,実際の治療に携わるスタッフに伝えた.さらに,これらを海外でも示すために,国際学会で発表(平成23年6月予定),国際雑誌の作成をしているところである.さらに発展的な分析も行っているところである. (4)2次予防に関する追跡調査内容については,まだシステムが存在しないため.先行研究の考察および理論的研究からアンケート評価項目設定や月1回の研究班会議,リハ医学会等で,リハ専門医,リハ医学会(評議員),脳卒中協会会長等の意見を得たところ,再発はさまざま要因が関与しており,現在のデータベースの項目等では説得力のあるデータが出せない可能性があると指摘を受けた.そこで,若干の内容を修正し,データベース登録病院すべてではなく,数病院をいくつかピックアップし,協力を依頼する方向で進めている.まだデータ数も増加しているので,発展の可能性を十分に有すると考える.
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