2010 Fiscal Year Annual Research Report
運動療法への実践応用を目的とした磁気共鳴画像による活動筋評価法の改善と精度向上
Project/Area Number |
22700570
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Research Institution | National Agency for the Advancement of Sports and Health |
Principal Investigator |
俵 紀行 独立行政法人日本スポーツ振興センター国立スポーツ科学センター, スポーツ医学研究部, 研究員 (30344279)
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Keywords | 骨格筋 / 磁気共鳴画像 / 運動 / 体幹部深部筋 / 活動様相 |
Research Abstract |
運動療法や筋力トレーニング(以下、トレーニングと記す)の効果検証を客観的に行うためには、運動に誘発された骨格筋の活用様相を把握および評価(以下、筋の活動評価と記す)が必要となる。本研究は、非侵襲的な画像診断法である磁気共鳴画像法(MRI)を用いた"筋の活動評価法(以下、本手法と記す)"を、特に重要視されている体幹部や肩関節などへの応用可能な実践的評価方法として確立させるものである。 平成22年度は、"筋の活動評価法"を実践的な評価方法として確立させるための検討事項として、「軽度な運動に対する本手法の検出能」に関して実施した。 方法は、仰臥位にて右股関節および右膝関節を同時に90度屈曲させる運動を20回1セットとし、計15セット行った。運動前および各セット終了後にMRIを撮像し、得られた画像から右大腰筋断面積とT2値による変化を分析し比較した。 結果は以下に示す通りである。運動前は筋断面積が1391.1±304.1mm^2、T2値が33.3±0.7msであった。運動全てのセットを通じて、右大腰筋断面積では有意な増加は認められなかったが、T2値では1セット目から有意な変化を認めた。また、両者とも7セット目以降は、筋断面積では1560mm^2程度、T2値が45ms程度となり、値の上昇はほぼプラトーになる傾向を示した。これらの結果より、反復性運動の検出能は飽和することが示唆された。 以上の結果より、次のことを明らかに出来た。(1)一般的に広く用いられているMRIの筋断面積法ではトレーニングの急性期に関する評価はできないが、T2値を用いた機能評価法では急性期の効果検証への活用は可能であることが示唆された。(2)本手法では、運動負荷の増加量と筋活動の頻度との関係を体幹部の深部筋でも検出することができた。これらの結果はトレーニング急性期効果の判定に応用するための貴重な筋活動の応答特性となると考えられる。
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Research Products
(7 results)