2011 Fiscal Year Annual Research Report
力制御課題における3次元的な力の分散とそれに纏わる筋活動との関連性
Project/Area Number |
22700592
|
Research Institution | National Institute of Fitness and Sports in Kanoya |
Principal Investigator |
吉武 康栄 鹿屋体育大学, スポーツ生命科学系, 准教授 (70318822)
|
Keywords | 運動単位の発火頻度 / 力変動 / 表面筋電図 / 全波整流 / 相互相関関数 |
Research Abstract |
関節トルク(力)は,実際は測定で得られる一方向だけではなく,複数方向へ分散されている.それにも関わらず,力を司る筋活動動態と実際に発揮された力に関する研究の多くは,一方向の力発揮と筋活動量との関連性にのみ着目されて行われている.このような背景の基,本研究では「加齢や筋疲労にともなう力の分散量様相と筋活動量変化」や,「筋力トレーニングにおける力の分散(方向性)の改善とそれにともなう筋活動の変容との関連性」を明瞭化することを目的とした.その過程において,動員されている運動単位の活動量評価の指標として,これまでの先行研究の多くが表面筋電図信号の全波整流波形を用いて行われてきた.一方で,その全波整流筋電図信号の周波数成分とその構成成分であるはずの運動単位の活動(発火)電位との関連性やその意義については未だ明らかとなっていないことが,本研究を遂行する上で問題となることが判明した. そこで,平成23年度においては,以下のように実験を行った.若齢者(8名)を対象とし,第一背側骨間筋収縮による第二指の等尺性外転動作を対象動作とし,ワイヤ電極を用いた筋内筋電図法による運動単位の活動電位,および表面電極を用いた表面筋電図法による筋電位を導出した.識別可能だった運動単位は計11個であった.運動単位の発火頻度と全波整流筋電図の波形類似性は,相互相関関数を用いて定量化した.その結果,全ての運動単位の発火頻度と全波整流筋電図の相互相関係数には有意な正のピークが存在した.かつ,そのピーク値は,運動単位の発火頻度・力の変動が大きいほど大きくなった(P<0.05). 以上の結果より,全波整流した表面筋電図波形は,運動単位の発火頻度および変動動態を反映していることが示唆された.
|
Research Products
(4 results)