2010 Fiscal Year Annual Research Report
中高大学生を対象とした疾走速度を高めるための疾走動作に関する縦断的・横断的研究
Project/Area Number |
22700599
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Research Institution | Aichi University of Education |
Principal Investigator |
木越 清信 愛知教育大学, 教育学部, 講師 (20378235)
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Keywords | 疾走動作 / 疾走速度 / 脚全体の角度 / 地面反力 / ブレーキカ |
Research Abstract |
これまでに行われてきた疾走速度に影響を及ぼす技術的要因についての検討は非常に多く行われ,これらの結果から,脚全体の後方スウィング速度を高めることによって疾走速度が高まる可能性が指摘されている.しかし,脚全体のスウィング速度とは疾走速度が高まったことによって結果的に高まる可能性を否定することができない. そこで,今年度の研究課題では,疾走速度に影響を及ぼす技術的な要因として,疾走速度が高いことによって結果的に可能になる要因ではなく,その要因を変化されることによって疾走速度が高まる可能性が考えられる要因を検討することとした. その結果,疾走速度と水平方向へのブレーキ力との間に有意な正の相関関係(r=0.799,p<0.05)が認められ,疾走速度と合成ブレーキカとの間に有意な正の相関関係(r=0.770,p<0.05)が認められた.また,脚全体と地面がなす角度と疾走速度との間には有意な正の相関関係(r=0.910,p<0.01)が認められた.さらに,脚全体が地面となす角度と合成ブレーキ力が地面となす角度の角度差と疾走速度との間に有意な正の相関関係(r=0.837,p<0.01)が認められた. 身体にブレーキベクトルが作用することによって,脚は前方への回転運動(以下,起こし回転)が起こる可能性が考えられる.そして,脚全体が地面となす角度と合成ブレーキ力が地面となす角度の角度差が大きいほど,効果的に脚の起こし回転が起こることが考えられる.したがって,効果的に脚の起こし回転を起こし,疾走速度を高めるためには,接地時の最適な脚全体の角度,身体に作用するブレーキベクトルが存在し,それを身につけることが疾走速度の向上につながる可能性が示唆された.
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