2012 Fiscal Year Annual Research Report
グループの形成過程と個人の体験プロセスからみる冒険教育プログラムの効果研究
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22700605
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Research Institution | Osaka University of Health and Sport Sciences |
Principal Investigator |
伊原 久美子 大阪体育大学, 体育学部, 准教授 (40387965)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 冒険教育 / 野外教育 / 自己効力感 / グループ形成 / 体験プロセス |
Research Abstract |
本研究は冒険教育プログラムにおける集団が生み出す力や構造として“グループ効力感”に着目し、量的・質的アプローチからグループの形成過程と個々の体験プロセスの相互作用を明らかにすることを目的とし、以下の研究課題を定めている。研究課題1:グループの効力感とその形成プロセスを明らかにする。研究課題2:参加者個々の自己効力感と体験プロセスを明らかにする。研究課題3:グループの形成と個々の体験の相互作用を明らかにした。 研究課題1と2については、これまで仮説的に提示していた参加者の内的プロセス“不適応状態→課題解決体験→達成・成功体験→自己効力感”に基づき、階層的重回帰分析を行い、参加者の自己効力感の向上に影響を及ぼす体験要因を検討した。その結果、課題解決体験は冒険群と一般群において、達成・成功体験に影響を及ぼしていることが明らかとなった。また、達成・成功体験は冒険群における自己効力感に影響を及ぼしていることが明らかとなった。冒険教育プログラムでの困難な課題、それを乗り越えるための豊富な課題解決体験、そこから生じる達成・成功体験は自己効力感に影響を及ぼす体験要因であることが明らかとなった。 研究課題3については、自己効力感と集団効力感の因果関係を分析するために、交差遅れ効果モデルと同時効果モデルを構築して解析を行った。その結果、自己効力感は、事前と事後で有意な差は見られなかった。集団効力感は、事前よりも事後の方が有意に高い得点を示した。自己効力感と集団効力感の因果関係については、交差遅れ効果モデルで、事前の自己効力感から事後の集団効力感との間で有意に高い標準化パス係数が得られた。以上の結果から、プログラム事前における自己効力感はプログラム事後の集団効力感を有意に予測することができ、事後の予測妥当性が高いことが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Reason
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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