2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22700607
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
石岡 丈昇 北海道大学, 大学院・教育学研究院, 助教 (10515472)
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Keywords | 身体文化 / ライフストーリー / 周縁アスリート |
Research Abstract |
2011年10月にマニラで集中的にライフストーリーの聞き取り調査をおこなった。そこでの最新の聞き取り内容も加えて、2012年2月に単著『ローカルボクサーと貧困世界-マニラのボクシングジムにみる身体文化』(世界思想社:358頁)を刊行した。 本調査の最終年度である平成24年度は、引き続き現地聞き取り調査を継続しつつ、周縁アスリートの社会学的研究を展開する予定である。今年度は、その基礎作業に該当する、二度の学会報告をおこなった(第20回日本スポーツ社会学会個人報告「テンポの受肉-<集団競技>としてのボクシング」成蹊大学、第21回日本スポーツ社会学会シンポジウム報告「ボクシング・貧困・時間的予見-マニラの事例から」熊本大学)。そこでの報告内容を現地調査の内容と絡めて、来年度には報告書を完成させる予定である。学会報告をはじめとした今年度の基礎作業は、周縁アスリートという分析対象を、スポーツ社会学、貧困研究、フィリピン地域研究といった各種議論系に位置づけていくものであり、こうした作業を通じてマスメディアが流布する通俗的なスポーツイメージではないかたちで、アスリートの生活を捉える試みである。 なお、本研究の成果として、上記の他に公刊したものとして以下がある。・論文「対象化された貧困-マニラのボクシングジムの存立機制」『理論と動態』第4巻、・訳書ジェイ・コークリー&ピーター・ドネリー(共訳)『現代スポーツの社会学』南窓社、・事項執筆「質的調査法(フィールドワーク)」井上俊・菊幸一編『よくわかるスポーツ文化論』ミネルヴァ書房、・書評高橋豪仁『スポーツ応援文化の社会学』『スポーツ社会学研究』第19-2号。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究実績の概要欄に記したように、順調に研究成果を公刊できているため。
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Strategy for Future Research Activity |
聞き取り調査は、基本的にすべて筆者自身でトランスクリプトを作成しているが、その内容をより的確かつ簡易に参照できるよう、ライフストーリーの本研究用の資料集をデータベース形式で作成する予定である。
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Research Products
(6 results)