2011 Fiscal Year Annual Research Report
競泳新型スタート台に合わせた新型スタート技術の開発
Project/Area Number |
22700609
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
武田 剛 早稲田大学, スポーツ科学学術院, 助手 (20508840)
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Keywords | 反力計測 / バックプレート / スターティングブロック / トラックスタート / 水泳 |
Research Abstract |
本研究は競泳競技の新型スタート台に合わせた新型スタート技術の開発を目的とした。大学競泳選手男性12名に実験に参加してもらった。本研究において開発した競泳スタート台型四肢反力計測器から参加者にトラックスタート全力試技を実施してもらい、カメラ撮影による運動情報取得と反力計測器に力計測を実施した。 本研究によって開発した競泳スタート台型四肢反力計測器は3つの反力計測システム(両手、前足,後足)からなる。本研究の計測システムの精度を検討するために、画像分析法からの身体部分慣性係数を用いた重心の速度データと、本研究の反力計測器の力のデータから算出した速度データの関係を見た。両速度データは、跳び出し時の値(進行方向成分、垂直方向成分)について、有意な相関関係が確認された(水平:r=0.91,p<0.001、垂直:r=0.95,p<0.001>。 本研究の計測システムで計測した両手、前足、後足で発揮された力を動作時間で積分し、それぞれで達成する水平速度を算出し、3つ(両手、前足、後足)の合計値からなる跳び出し水平速度への貢献度を算出した。この跳び出し水平速度は競泳競技の進行方向速度であり、スタート局面のパフォーマンスを考える際に重要なパラメータである。その結果12名の参加者の平均は、両手8%、前足27%、後足67%となった。これまで指導現場においては両手の貢献度の大きさが議論にあることが多かったが、本研究により両手による貢献度は大きくないことが明らかとなった。また、跳び出し水平速度の貢献度が大きくない両手、前足の水平方向への力発揮は、後足のそれよりも垂直方向への力発揮が大きいことが確認された。本研究の成果によって競泳スタート台上勤作の基礎キネティクスが明らかとなった。これらの知見をもとにした今後の研究発展と指導現場への新たな視点の提供が期待出来る。
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