2012 Fiscal Year Annual Research Report
「あがり」の発現機序の解明:運動スキルの閉鎖ー開放次元に着目して
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22700615
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
村山 孝之 金沢大学, 保健管理センター, 講師 (20531180)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | あがり / 注意 / 運動制御 / 運動スキル / プレッシャー |
Research Abstract |
本研究では,スポーツ場面において「あがり」兆候を確認するためのチェックリストを作成することを目的とした.大学運動部および体育系サークルに所属する大学生253名を対象にアンケート調査を実施し,大会や試合時における「あがり」の兆候について回答を求めた.質問項目は,H22,23年度に実施した研究課題1や先行研究で確認されている代表的な兆候に関するものを使用し,全30項目とした.回答方式は「1.まったく当てはまらない」~「5.とても当てはまる」までの5件法とし,Webおよび冊子にて実施した.未回答,回答ミスがあるものを除外し,最終的に237名のデータ(男性156名:女性81名/平均年齢20.2歳)を分析対象とした.有効回答率は93.7%であった.なお,調査に際し被調査者には「あがり」に陥った場面の環境の安定性や予測可能性について回答を求め,閉鎖スキルならびに開放スキルの要素の多い状況ごとに分析を試みた.因子分析(主因子法,プロマックス回転)の結果,閉鎖スキルの要素の多い状況については,運動制御不全感,意識的処理,身体異常感覚,注意散漫の4因子が抽出された.一方,開放スキルの要素の多い状況については,注意散漫,運動制御不全感,運動の不正確性・非効率性,意識的処理,呼吸異常の5因子が抽出された.累積寄与率はそれぞれ58.3%,56.2%であり,クロンバックのα係数はすべての因子において0.6-0.9の値を示した.これらの結果から,使用した尺度の信頼性が確認できたといえる.なお,閉鎖スキル,開放スキルの両状況ともに意識的処理,注意散漫,運動制御不全感が抽出された.ただし,運動の不正確性・非効率性という因子は開放スキルの要素の多い状況のみで抽出された.このことから,環境の変化への対応や予測が必要な状況ほど,動き・プレーの正確性や効率性の変化が「あがり」の診断指標になると推察できる.
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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