2011 Fiscal Year Annual Research Report
素早い肘関節運動のリアルタイム修正方略に関する研究
Project/Area Number |
22700617
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Research Institution | Nara Women's University |
Principal Investigator |
高徳 希 奈良女子大学, 大学院・人間文化研究科, 助教 (80554477)
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Keywords | バイオメカニクス / 運動制御 / 筋活動 / 神経科学 / 肘関節運動 |
Research Abstract |
「素早い肘関節運動のリアルタイム修正方略」について、素早い肘関節伸展動作の動作修正時にみられる筋活動および運動学的指標の変化から運動制御過程を検討することを目的とし、第1実験結果より実験設定を再考した上で本実験となる第2実験を実施した。 右利きの一般成人女性9名(事前に内容説明を行い、同意書への自署により実験参加に同意)を被験者とした。操作盤は座位姿勢をとった被験者の前方、肩の高さで水平に設置し、2種類の目標位置に視覚刺激を設置した。被験者は肩関節を90°外転および45°水平屈曲させ、肘関節を45°屈曲した状態で操作盤上のレバーアーム回転軸に肘関節を合わせてハンドルを握った。 課題はできる限り素早く呈示された目標位置まで肘関節を伸展することであった。予め開始前にShort課題(開始位置から45°伸展)とLong課題(90°伸展)のいずれかが呈示される「目標指定条件」を各6試行行った後、動作開始刺激呈示後にShort課題からLong課題への目標修正刺激が呈示される「目標修正条件」を行った(48試行)。目標修正刺激呈示時刻は、第1実験の分析より、開始刺激からの呈示間隔を50~400ms間で50ms毎に設定した(8種類)。右上肢の上腕三頭筋(主動筋)と上腕二頭筋(拮抗筋)より筋電図を導出した。 目標修正条件(Short課題からLong課題への修正)における筋活動を分析した結果、修正呈示時刻による方略の差異がみられ、主動筋活動開始直後の修正方略では主動筋活動を完全に中止しないことで動作速度を維持すること、動作開始後の修正方略では主動筋・拮抗筋活動は一旦減少するが直ちに主動筋を再活動させていることが明らかとなった。また、素早い修正を繰り返し経験することで予め主動筋活動が抑制され、その後の拮抗筋活動も抑制されるパターンに変化し、咄嵯に停止せずに動作修正を行う制御が可能となることが示唆された。
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