2010 Fiscal Year Annual Research Report
スピードスケートにおけるスタート動作の力学的メカニズムの解明
Project/Area Number |
22700627
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Research Institution | Japan Women's College of Physical Education |
Principal Investigator |
湯田 淳 日本女子体育大学, 体育学部, 講師 (80415835)
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Keywords | スピードスケート / ブレード反力 / 3次元動作分析 / キネティクス / 関節トルク |
Research Abstract |
本研究の目的は,力計測が可能なセンサースケートを開発することによってスタート動作におけるブレード反力を計測し,3次元画像解析法との併用によって算出された3次元下肢関節トルクなどのキネティクス的パラメータを検討することによって,スピードスケートにおけるスタート動作の力学的メカニズムを明らかにすることであった.この目的を達成するためには,滑走中の力データを精度よく収集できる,より軽量なセンサースケートを開発する必要がある.本研究では,既存のデータ収集機器等の性能を踏まえて検討を進めた結果,当初計画していた水晶電圧式3成分小型センサーを使用したテレメータ方式でのデータ収集方法を変更する必要があることが明らかとなった.検討の結果,スケートブレードに貼付したストレインゲージを腰部に装着した小型データロガーに記録するというシステムが採用されることとなった. 平成22年度で取り組んだ力覚検出型センサースケートの開発では,関節トルクの算出に必要な滑走中のブレード反力データの計測精度を高めるため,ストレインゲージ貼付位置およびキャリブレーションの方法が重要な検討事項として挙げられた.特に,キャリブレーションでは,ストレインゲージで検出された電圧データを力データへ換算する作業が要求されるが,各力成分のそれぞれの干渉を消去し,精度よく各力成分を算出するための手法の確立が必要である.この手法の確立へ向けての検討は平成23年度も引き続き行う予定であり,数回の予備実験を経て,氷上での力計測の本実験を実施する計画となっている.なお,ここで製作されたブレード反力計測システムは,スピードスケートにおけるスタート動作の解析のみならず,今後,ストレートおよびカーブでの滑走動作の解析に活用できる汎用性の高いシステムとなる見込みである.
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