2010 Fiscal Year Annual Research Report
車いすアスリートの栄養サポートのあり方に関する研究
Project/Area Number |
22700636
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Research Institution | National Agency for the Advancement of Sports and Health |
Principal Investigator |
元永 恵子 独立行政法人日本スポーツ振興センター国立スポーツ科学センター, スポーツ医学研究部, 研究員 (20330516)
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Keywords | 車いすアスリート / 食環境 / 栄養 |
Research Abstract |
平成22年度については、車いすアスリートに対して予備検討として聞き取り調査を行い、現在の食環境や食物摂取状況について調査した。食環境の調査では、家族と同居の者は親もしくは配偶者が調理を担当しており、食材や調理手法などを組み合わせてバラエティに富んだ食事を摂ることができている一方で、一人暮らしの者はコンビニ弁当やスーパーの総菜のような中食や外食の利用が中心であることが確認できた。しかし一人暮らしの者の中にも自炊をする者もおり、家族構成に関わらず食材の調達や調理などは自分で行うことができている。車いす利用のため段差移動が難しいといった若干の行動範囲の制限がある以外は、健常者と食環境や食物摂取状況はほぼ変わらない状況であった。 また、食事への意識については比較的高いと思われるが、調理技術が未熟であり実践が難しいと感じていたり、得られる効果がよくわからないままサプリメントを過剰に摂取していたりするケースがみられた。試合時の食事のとり方についても、全く注意を払わないで脂っこいものをとる者と炭水化物を中心に摂取し水分補給を行う者と個人差が大きかった。 車いすアスリートの栄養サポートではその身体特性をもとに個別に対応しなければならない事項と、健常者と同様のスクリーニングで対応できる事項とがあるが、今回の調査でむしろ後者の方が重要であると考えられた。今後はこれらをもとにより詳しい調査票を作成し、車いすアスリートが必要とする栄養サポートの内容について検討を行っていく。
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