2011 Fiscal Year Annual Research Report
サッカーにおける方向転換を伴うボールストップの成否決定要因の解明と最適動作の探索
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22700638
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Research Institution | Fukuoka University |
Principal Investigator |
田原 亮二 福岡大学, スポーツ科学部, 助教 (70441780)
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Keywords | サッカー / ボールストップ / 加速度計 |
Research Abstract |
サッカーにおいて、ボールを止める技能(トラップ)はボールを蹴る技能と同等に重要である。しかし、トラップ動作に関してバイオメカニクス的観点から検討している研究はほとんど見当たらない。本研究ではサッカー競技において頻繁に用いられる、方向転換を伴う足部のトラップ動作について、映像とセンサーを用いた動作分析を行い、センサーデータによってトラップの成否を評価し、最適なトラップ動作を探索することを最終的な目的としている。 今年度の課題では、熟練者を対象として、1.足下にボールを止めるトラップ動作、2.90°の方向転換を伴うトラップ動作、3.真横からのパスに対するトラップ動作、以上3種類のトラップ動作について加速度センサーと映像データを用いて動作および足部に生じる加速度の定量化を行った。その結果、ボールを足下に止めるトラップ動作では外果部位よりも第五中足骨部位で有意に大きな衝撃加速度がボールの飛球方向で計測され、その傾向はボール速度が低いほど顕著であった。これらの結果から、このトラップ動作においては足関節の外がえしと共に外反によってボールの衝撃を吸収していることが示唆され、さらに速いパスのトラップでは外反の貢献度が高いことが明らかとなった。これらの結果は他の課題においても概ね同様の傾向を示した。しかしながら、真横からのパスに対するトラップ動作では、外果部位の衝撃加速度は全く異なる傾向を示し、ボール方向に押し出されている現象が見られた。また第五中足骨部位の鉛直方向の衝撃加速度が他の課題よりも有意に小さいことから、真横からのパスに対するトラップ動作では、足関節の外反よりも外がえしを優先的に用いてボールをコントロールしていることが明らかとなった。これらの結果はトラップの成否要因となる動作を判断する際に、貴重な指標となると考えられる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
最適なトラップ動作を示すために必要なキネマティクス、キネティクスデータについては20名の熟練者を対象として実験を終えており、解析作業を進めることによってトラップ動作の成否要因を示すことは可能であり、概ね計画通りと言える。しかし、非熟練者を対象とした実験が未だ遂行されていないため、上記の評価とした。
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Strategy for Future Research Activity |
まず、トラップ動作を普遍的に評価するために必要と考えられる、非熟練者を対象とした実験に早急に着手したい。熟練者を対象として計測した動作と力学的な基礎データに関しては、今年度中にまとめ学会誌に投稿する。その上で非熟練者のデータも合わせ、動作と足部における力学的データとの因果関係を探り、トラップ動作の成否を決定する要因を明らかとしたい。
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Research Products
(1 results)