2011 Fiscal Year Annual Research Report
「タイミングコントロールスキル」の評価法の確立とその実践
Project/Area Number |
22700643
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Research Institution | Kurashiki University of Science and the Arts |
Principal Investigator |
飯田 智行 倉敷芸術科学大学, 生命科学部, 講師 (70509645)
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Keywords | タイミングコントロール / タイミングエラー |
Research Abstract |
スポーツの場面、特に球技において、タイミングエラー(時間誤差)の増大と発揮する筋力の低下をともに防ぐことは、競技能力向上の重要な要因である。つまり、目標物の移動時間及び自己の動作に必要な時間の処理能力(予測の正確性)が高いことが重要である。本研究では、時間誤差増大及び発揮筋力低下の抑制能力を「タイミングコントロールスキル」と定義する。しかしながら、タイミングコントロールスキルの評価法は見当たらない。 本研究の目的は、タイミングコントロールスキルの評価法の開発及びタイミングコントロールスキルと競技能力の関係を検討することである。平成23年度は、評価法の確立を目的とし、「単純動作と複雑動作の違いが一致タイミングに及ぼす影響」「運動経験の違いがタイミング能力に及ぼす影響」の実験を行った。その結果、以下が明らかになった。 1.自己動作時間の違いが、時間予測の正確性に影響を及ぼす 2.単純動作では、タイミング能力の評価は困難である 3.オープンスキルの運動経験を有する者がタイミング能力が高い 4.タイミング能力評価には、「タイミングコントロールスキル」が重要である 以上のことから、ボタン押しのような単純動作よりも、跳躍のような複雑動作の方が「タイミングコントロールスキル」を評価する課題としては妥当であることが明らかになった。また、オープンスキルの経験を有しているものがタイミング能力が高いことが明らかになった。 平成23年度の研究の成果は、「タイミングコントロールスキル」の測定法を確立し、タイミング能力と運動経験の関係を明らかにしたことである。この測定法を用いることにより、競技力向上や子どもの体力向上の一助になるものと考える。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
「タイミングコントロールスキル」の測定法が確立したこと、運動経験とタイミング能力の関係が明らかになり、評価の基礎資料を得ることができたことから、計画通りに進んでいるものと考える。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度は、競技能力の違いがタイミング能力に及ぼす影響を検討する。どの運動能力とタイミング能力が関係しているかを明らかにし、より詳細な評価法を確立する。また、小学生を対象とした実験も行い、タイミング能力の獲得時期について検討する。さらに、日常の運動状況とタイミング能力の関係を明らかにし、子どもの体力向上に寄与できるような知見を得たい。
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