2011 Fiscal Year Annual Research Report
吸入酸素濃度の違いが高強度インターバルトレーニングの効果に及ぼす影響
Project/Area Number |
22700644
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Research Institution | National Agency for the Advancement of Sports and Health |
Principal Investigator |
中垣 浩平 独立行政法人日本スポーツ振興センター国立スポーツ科学センター, スポーツ科学研究部, 契約研究員 (30549473)
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Keywords | 高強度インターバルトレーニング / 低酸素トレーニング |
Research Abstract |
【目的】 昨年度に実施した実験によって,高酸素環境下で高強度間欠的運動を行わせた場合,低酸素及び常酸素環境下よりも高いパワーを繰り返し発揮できることが明らかとなり,効果的なトレーニング手段となる可能性が示唆された.そこで今年度は,高酸素,常酸素及び低酸素環境下における高強度インターバルトレーニングが,生理応答および超最大運動のパフォーマンスに及ぼす影響について検討した. 【方法】 大学体育会カヌー部に所属する男子選手20名を対象として,自転車エルゴメータを用いた高強度インターバルトレーニングを週に2回,3週間にわたり実施した.トレーニング初週は,体重×0.075kpの負荷での30秒間全力ペダリングを4分間の休息をはさんで4セット行わせ,それ以降は一週毎に2セットずつ増加させた.トレーニング中に吸引する酸素濃度は13.6%,20.9%および60%02の何れかとし,吸引する酸素濃度によって被験者を3群に分類した.トレーニングの前後で,漸増負荷テスト,90秒間全力ペダリングテスト,高強度間欠的ペダリングテストを実施し,トレーニング効果を評価した. 【結果・考察】 3週間,全6回のトレーニングによって,最大酸素摂取量,最大有酸素性パワー,最高血中乳酸濃度はいずれの群においても有意に向上した.しかしながら群間に有意な差は認められなかった.同様に,トレーニングによって90秒間全力ペダリングテスト及び高強度間欠的ペダリングテストの発揮パワーも有意に増加したが,群間に有意な差は認められなかった. これらの結果は,30秒程度の短時間の全力運動を繰り返し実施する高強度インターバルトレーニングでは,吸引する酸素濃度を変化させることによって生じる発揮パワーやエネルギー動態の変化が,特有のトレーニング効果をもたらすほど大きなものではなかったことを示唆する.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
病気や怪我のため,トレーニング期間中に数名の被験者が棄権した.そのため,現状では群間の初期値に差が生じ,トレーニング効果を必ずしも正確に評価できていない.H24年度は同内容にて追加実験を実施する予定である.
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Strategy for Future Research Activity |
H23年度の実験内容にて早急に追加実験をおこなうとともに,新たなトレーニングプロトコルの検討を実施する.
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