2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22700645
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Research Institution | National Agency for the Advancement of Sports and Health |
Principal Investigator |
市川 浩 独立行政法人日本スポーツ振興センター国立スポーツ科学センター, スポーツ科学研究部, 研究員 (20375463)
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Keywords | 身体運動 / 競泳トレーニング / フィードバック / 加速度 / 慣性センサ |
Research Abstract |
本研究課題では、競泳競技のトレーニングを対象に慣性センサ(加速度や角速度を計測するセンサ)を使用することで、水泳中の加減速を推定し、その情報を音により選手にフィードバックするシステムを開発する。またそのシステムをトップスイマーのトレーニングで実際に利用し、加減速情報のフィードバックがパフォーマンス向上に貢献する可能性について検討することを目的とする。ここで使用する加速度センサは運動中の加速度を定量するが、その加速度ベクトルの方向を得ることはできない。平成22年度は、角速度を定量する角速度センサを利用し、プールのレーンに沿った推進方向の加速度(泳加速度)を推定する手法を検討するものとした。男子学生競泳選手10名を被験者とし、腰部に慣性センサを装着した状態での泳試技を実施した。また、2台のビデオカメラで試技を撮影し、その画像から腰部の変位を算出した。泳動作の周期性を利用し、慣性センサから腰部加速度の推進方向成分を推定した。推定加速度の時間積分から速度パターンを算出し、画像から算出した腰部速度と比較することで加速度推定の妥当性を検討した。その結果、比較的精度よく泳加速度を推定できたのは平泳ぎの場合であった。平泳ぎであれば腰部の運動を矢状面内の二次元運動にモデル化でき、慣性センサデータの演算手順も抑えることができる。また、推定の精度は、泳動作周期の区切り時刻とその時刻での腰部姿勢の初期値に左右される。慣性センサデータからこの区切り時刻と初期姿勢を決定する手法を継続して検討している。
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