2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22700646
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Research Institution | National Agency for the Advancement of Sports and Health |
Principal Investigator |
三輪 飛寛 独立行政法人日本スポーツ振興センター国立スポーツ科学センター, スポーツ科学研究部, 契約研究員 (00513475)
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Keywords | 圧力センサアレイ / 流体力 / 圧力分布 / 水泳 / 推進メカニズム |
Research Abstract |
本研究の目的は、泳者手部・前腕部周りの圧力分布を測定するための、圧力センサアレイを用いたアームスーツを開発することである。水泳時の泳者によって発揮される力を推定するためには、人体周りの流れ場解析や流体力を求める必要がある。泳者の全身の圧力分布を測定することができれば、泳者が流体から受ける力=泳者が流体に与えた力を測定したことになり、泳者の推進メカニズムや推進効率等を求めることができる。本研究では推進力発揮部位の一つである手部および前腕部を覆う形状の超小型圧力センサを内蔵させたアームスーツを開発し、水泳時の推進力の算出を目指した。 昨年度までの結果で当初想定していた防水小型MEMS圧力センサが、本研究の目的を達成するのに大きさ・重量・基盤の設置や防水面に関して不具合がある事が分かり、今年度ではひずみゲージ式の圧力センサを用い研究を進めた。泳者の手部にラテックス製のグローブを装着させ、ひずみゲージ式の小型圧力センサを手部周りの12カ所一部アレイ状)に取付け、それぞれのセンサに働く圧力から泳動作時の手部に働く流体力をKudo et al.(2008)の推定式を用いて算出し、さらに手の動作変化に伴う圧力分布をみた。その結果、スカーリング動作時の手部周りの圧力分布は、手の移動方向による先端部(leading Edge)側の圧力差が手のひらと甲側で増大し後端部に近づくほど圧力差はほとんどなかった。また、手部の移動方向が反転しLeading Edgeが親指側から小指側(小指側から親指側も同様)に変わると、Leading Edge側の圧力差が増大し、それと同時に手部にかかる流体力も増大した。このように水泳のストローク時手部周りの圧力分布は、手の移動方向や速度変化に依存している事が分かった。今回は、結果としてセンサの大きさからひずみゲージ式の圧力センサを手部12カ所、手のひらには4対アレイ状にしか装着する事ができなかったが、おおよその手部の圧力分布の測定には成功した。
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Research Products
(1 results)