Research Abstract |
本研究の目的は,身体特性(形態および筋力)と跳動作・走動作との関係を実験およびシミュレーションにより検討し,身体特性に応じた模範とすべき動作のモデル(以下,動作モデル)を構築することである.本年度は予備実験を実施した。全力の反動付き垂直跳びおよび3m/sec,5m/sec,7m/secの走速度の走動作を3次元モーションキャプチャーシステムにより240Hzで撮影し,身体分析点の3次元座標を得るとともに地面反力を計測した.また,ボディーラインスキャナーを用いて3次元人体形状を得た.また,体幹,股関節,膝関節,および足関節の屈曲(背屈),伸展(底屈)の等速性最大トルクを計測した.さらに,関節動態用核磁気共鳴装置を用いて,磁気共鳴映像法(以下,MRI)により下肢および体幹の断面を5mm間隔で撮像した. 形態に関しては,BLSから得られた身体部分の周囲の座標値から,身体各部の慣性係数(身体部分の長さ,質量,慣性モーメント)を算出した.動作中の3次元座標,地面反力,および慣性係数を用い,下肢キネマティクスおよび下肢関節トルク,パワーなどを算出した.筋張力推定については,身体の3次元座標および関節トルクデータを筋骨格モデルに取り込み、さらに最適化手法によって関節トルクを個々の筋に分配し,筋張力,筋の力学的仕事,活性度,収縮速度などを算出した. 今後は,予備実験結果を踏まえ,分析の精度や処理に要する時間を考慮して走速度の設定,筋力測定法,MRIの分解能などを必要に応じて修正し,本実験を実施する予定である.
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