2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22700649
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
片山 敬章 名古屋大学, 総合保健体育科学センター, 准教授 (40343214)
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Keywords | 呼吸循環応答 / 運動 / 低酸素 / 筋交感神経活動 |
Research Abstract |
呼吸調節は運動によるガス交換・酸素供給に重要であると考えられ,これまで研究が行われてきた.これに加えて,近年では呼吸調節に関係する末梢化学受容器反射が循環調節に影響する可能性が報告され,呼吸と循環の相互関係が注目されている.本研究では,末梢化学受容器への刺激が循環系に及ぼす影響を明らかにすることを目的とした.被験者は健康な男性とした.常酸素(21%)および低酸素(12.7%)の環境にて,自転車エルゴメータを用いて最高酸素摂取量を測定した.次に,最大下運動強度における運動中に低酸素ガス吸入による末梢化学受容器刺激を行い,循環系への影響を観察した.微小神経電図法を用いた筋交感神経活動は,常酸素環境と比較して低酸素環境において高値を示した.したがって,末梢化学受容器への刺激は循環系に影響を及ぼしていることが示唆される.さらに本研究では,交感神経活動の指標とされる血漿ノルエピネフリン濃度を測定し,筋交感神経活動との比較を行った.常酸素環境における運動時には,ノルエピネフリン濃度と筋交感神経活動の変化は一致した.一方,低酸素環境では低い運動強度の場合,ノルエピネフリン濃度の増加は認められないが,筋交感神経活動は有意に増加した.したがって,低酸素環境における運動時の交感神経活動の指標として,血漿ノルエピネフリン濃度は適切でないことが示唆される.
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Research Products
(7 results)