2010 Fiscal Year Annual Research Report
運動後のヒト骨格筋に対するクライオセラピーの疲労軽減および損傷軽減効果の検証
Project/Area Number |
22700663
|
Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
柳澤 修 早稲田大学, スポーツ科学学術院, 助教 (50371159)
|
Keywords | クーリング / 骨格筋 / 運動 / 筋持久力 / 疲労 / 磁気共鳴分光法 / 主観的運動強度 |
Research Abstract |
【目的】本研究の目的は、磁気共鳴分光法(以下、31P-MRS)を用いて、運動間のクーリングが筋疲労の軽減効果を発揮するのかを検討することであった。 【方法】健常成人男性6名(平均24.5歳)の下腿三頭筋を対象とした。足関節底屈用の非磁性体運動負荷装置を1.5テスラのMR装置内に設置し、6分間の足関節底屈運動(毎分30回、最大挙上重量の30%の重量を採用)を2セット実施した。被験者はセット間(20分間)にクーリングをする条件(クーリング群;氷嚢を使用)と無処置にする条件(コントロール群)をそれぞれ経験した。31P-MRS測定は、被験者の右下腿にリン用表面コイルを装着し、運動前と運動中にて実施した。シミングは水のプロトン信号を用いて自動的に行った。得られたスペクトルからクレアチンリン酸(phosphocreatine ; PCr)および無機リン酸(inorganic phosphate ; Pi)の曲線下面積を算出した。また、各セットにおける主観的運動強度をボルグスケールにて評価した。 【結果】コントロール群ならびにクーリング群は、それぞれのセットにおいて有意なPi/PCr比の上昇を示した(P<0.05)。各セットにおけるPi/PCr比の上昇率において、コントロール群は2セット目で増加する傾向を、一方クーリング群は減少する傾向を示したが、いずれもセット間の有意差には至らなかった。ボルグスケールにおいて、コントロール群はセット間に有意差を示さなかったが、クーリング群は2セット目で有意に上昇する結果を示した(P<0.05)。 【結論】運動間のクーリングは筋疲労を軽減させ、筋持久力に対して有効的に作用する傾向を示したが、主観的運動強度に関しては疲労軽減効果を発揮しなかった。
|