2011 Fiscal Year Annual Research Report
呼吸筋の活動が高所での有酸素パフォーマンスや活動筋の酸素動態に及ぼす影響
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22700666
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Research Institution | Tokuyama University |
Principal Investigator |
小川 剛司 徳山大学, 経済学部, 准教授 (70451698)
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Keywords | 生理学 / 呼吸 / 低酸素 / スポーツ科学 / 呼吸筋 |
Research Abstract |
低圧低酸素下では換気量が増大する.そのために呼吸筋群の活動レベルが高まり,呼吸筋の仕事量は通常酸素下よりも増加することが考えられる.一方で,高所では気圧低下に伴う空気密度が低下するため、気道での物理的な抵抗が低下するため呼吸筋群の仕事量に影響することが予想される.しかしながら低圧低酸素下では運動時の呼吸筋群の仕事量は,十分に明らかでない.そこで本研究では,呼吸筋群の活動に注目して低圧低酸素下での空気密度の低下や酸素分圧低下が運動時の呼吸循環応答に及ぼす影響を調べることを目的として、気道抵抗や酸素分圧(酸素濃度)の違いにより高強度運動時の呼吸筋群の仕事量はどの程度変化するか、それが活動筋の酸素化動態にどのような影響を及ぼすかについて検討する.前年度において、低酸素下では呼吸筋の仕事量が最大運動時で増加することが観察された。 平成23年度は、高所における大気密度の低下の影響をモデル化したヘリウム混合ガス吸入による運動時の呼吸筋仕事量を調べた。その結果、最大運動時の換気量はヘリウムガス吸入により増加し、有酸素能力も向上した。呼吸筋の仕事量は換気量増大にもかかわらず、変化しなかった。筋酸素化動態についての結果は解析中である。これらの結果から、吸入する気体の密度が低下することによる運動時の生体反応が明らかとなり、高所トレーニングなど高所での運動能力低下について呼吸筋が関係することが明らかとなった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成23年度では22年度に続き、呼吸筋の負荷を軽減させたモデルを用いて実験を行った。ただし、筋酸素化動態の解析が終了しておらず、学会発表に至らなかった。24年度も引き続き検討が必要である。
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Strategy for Future Research Activity |
筋酸素化動態の測定について、機器の問題が生じてデータに混入するノイズが大きいという事象が見られた。このことにより、解析を困難にさせている。上位機種の機器の買い替えなどは資金の面から困難であるため、解析方法を工夫する必要がある。一方で、24年度計画のトレーニング実験の予備実験を開始しているが、呼吸筋に負荷を与える装置について、若干の変更を伴う必要がある。これについては早急に解決する方策が立てられ、大きな変更を生じないで、実験可能である。
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Research Products
(4 results)