2011 Fiscal Year Annual Research Report
身体活動による大腸がん予防効果へのリテラシーを高める効果的な普及戦略の開発
Project/Area Number |
22700681
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
柴田 愛 早稲田大学, スポーツ科学学術院, 研究員 (30454119)
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Keywords | 大腸がん / 身体活動 / リテラシー / 行動変容 / インターネット |
Research Abstract |
【目的】本研究では、大腸がん予防に対する推奨身体活動量充足に関連する心理的、社会的、環境的要因について検討した。【方法】インターネット調査会社の登録モニターを対象に、心理的要因(運動セルフ・エフィカシー:運動SE、運動実施に伴う恩恵・負担)、社会的要因(運動ソーシャルサポート:運動SS,医療従事者からの運動の勧め)、環境的要因(自宅の運動用具、運動施設へのアクセス、近隣の安全性、自宅周辺の景観、役割モデル)および人口統計学的要因、自記式による身体活動量を調査した。有効回答者1932名に対し、がん予防に対する2つの推奨身体活動量を基準に、対象者を推奨群および非推奨群に分類した。性別で層化した上で、推奨身体活動量の実施を従属変数とし、全ての変数を独立変数とした多項ロジスティック回帰分析を行った。【結果】男女ともに運動SE(男性:OR=3.28、女性:OR=7.82)がVAの実施と有意な正の関連が認められた。また、男性で運動実施に伴う負担の低さ(OR=0.49)、自宅にある運動用具の多さ(OR=1.73)がVAの実施と有意に関連した。MAの実施に関しても、男女ともに運動SE(男性:OR=1.72、女性:OR=2.07)が有意な関連要因であった。男性では、運動SS(OR=1.41)および運動施設へのアクセス(OR=1-47)、女性では、自宅周辺の景観(OR=1.74)に有意な正の関連がみられた。さらに、女性では運動に関する恩恵の高さ(OR=0.51)および農村部在住(OR=0.42)にMAの実施と有意な負の関連が認められた。【結論】運動SEが、がん予防に対する2つの推奨身体活動量の充足に共通した強固な関連要因であったものの、これまで心理社会的要因と比較して影響が少ないとされてきた環境的要因にも複数の関連が認められた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
初年度に計画していた「身体活動の大腸がん予防効果に対する気づきおよびその関連要因を解明するための調査研究」より作成した論文が国際学術誌に掲載された。さらに今年度は、計画通りに、インターネット型支援プログラムを作成し、ターゲット集団と想定される中年成人100名を対象に開発したプログラムを試行し、研究終了後に支援プログラムの使いやすさ、活用度、内容などについて満足度および要望に関する調査を実施した。
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Strategy for Future Research Activity |
現状においては、研究を遂行する上での大きな問題点はない。研究計画書に基づき、最終年度である来年度は、身体活動促進のためのインターネット型行動変容支援プログラムを完成させ、その効果検証を実施する。
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Research Products
(1 results)