2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22700685
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Research Institution | Kobe Gakuin University |
Principal Investigator |
浅井 剛 神戸学院大学, 総合リハビリテーション学部, 助教 (50411880)
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Keywords | 高齢者 / 転倒 / テーラーメード |
Research Abstract |
本研究は高齢者の転倒要因を身体機能(二重課題下での歩行)、および健康観や食生活を含めて検討し、新たな転倒リスクアセスメントを作成することを目的としてる。平成22年度は,転倒に関連する歩行分析の文献検討を行い,歩行動作の加速度波形に対する歩行分析プログラムの開発を行った。さらに、易転倒高齢者の歩行分析に先だって、健常高齢者の歩行測定が必要だと考え、地域在住の健常中高年者を対象に二重課題下での歩行測定を行った。測定は,自分にとって快適な速度で歩くSingle task gait (SG)と,逆唱課題をしながら歩く二重課題歩行Dual task gait (DG)の2条件の測定をランダムに行ったのち,座位での逆唱課題を行った。その結果,中年期から高齢期にかけてのDGでの歩行速度変化は、60歳代から徐々に現れ、70歳代において顕著になることが示された。現在までの報告では、中年者と高齢者のDGでの歩行速度に差が生じることを示した報告は存在するものの、特定の年齢階級においてDGでの歩行速度が顕著に低下することを明らかにした報告は見当たらない。したがって、本研究の結果は、現在までに報告のあった先行研究の結果を補完し、加齢に伴うDGでの歩行速度変化に関する基礎的なデータを提供した点で意義があると考えられる。ただし、本研究では,40歳代以降の若年者群との比較は行われていないためDGでの歩行速度が若年期から加齢に伴って階段状に低下していくのか、それとも60歳代までは一定の歩行速度を維持できるのかについては更なる検討が必要である。
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