2012 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22700685
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Research Institution | Kobe Gakuin University |
Principal Investigator |
浅井 剛 神戸学院大学, 総合リハビリテーション学部, 助教 (50411880)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 高齢者 / 転倒 |
Research Abstract |
高齢者対するテーラーメイドの転倒予防介入を行うためには、高齢者の属性に依存した転倒要因の探索が欠かせない。近年、二箇所以上の関節痛(多関節痛)が運動機能障害などの要因からは独立して虚弱高齢者を含む地域在住の高齢の転倒発生と関連していることが報告されている。本研究では、身体機能がある程度維持された、いわゆる元気高齢者を対象に慢性多関節痛と転倒の関連について検討を行った。 対象は認知機能障害を有さない地域在住高齢者94名(男/女:37/57、年齢73.0 ± 3.9歳)であった。関節痛評価シートを用いて慢性関節痛の数を問診聴取し、さらに質問紙を用いて過去一年間の転倒歴を調べた。質問紙調査の後、運動機能測定および身体組成検査を行った。慢性関節痛の数で対象をzero(なし)、single(一箇所)、multi(二箇所以上)の3群に分け、関節痛の数と転倒歴との関連を4つのロジスティックモデルを作成して検討を行った。94名の対象者のうち、19名(約20%)が過去一年の転倒歴を有していた。関節の痛みはzero群47名(50.5%)、single群29名(30.9%)、multi群18名(19.1%)であった。全てのモデルで関節痛は、他の因子からは独立して転倒歴に対して有意な影響を及ぼしていた。 本研究の結果から、多関節痛は筋萎縮や注意機能への干渉といった要因を介さずに高齢者の転倒発生に影響を及ぼしていることが示唆された。関節の痛みが、運動機能の低下、注意機能への干渉、骨格筋の萎縮といった要因を介さずに転倒の発生に影響していたことは、転倒の発生が今まで考えられてきた発生メカニズムとは異なるメカニズムで生じている可能性を示唆している。今後更に、多関節の痛みがどのようなメカニズムで転倒の発生に関連しているのかについて検討を行う必要があると考えられる。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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