2011 Fiscal Year Annual Research Report
eHealth Literacy Scale(eHEALS)日本語版の開発
Project/Area Number |
22700688
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Research Institution | 地方独立行政法人東京都健康長寿医療センター(東京都健康長寿医療センター研究所) |
Principal Investigator |
光武 誠吾 地方独立行政法人東京都健康長寿医療センター(東京都健康長寿医療センター研究所), 東京都健康長寿医療センター研究所, 研究員 (10520992)
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Keywords | eヘルスリテラシー / インターネット / 尺度開発 / ヘルスリテラシー / 健康増進 |
Research Abstract |
インターネット上の健康情報を利用する者にとって、インターネット上の健康情報を適切に活用する能力であるeヘルスリテラシーを身につけることは重要であるが、我が国ではeヘルスリテラシーを測定する尺度すらないのが現状であった。本研究では欧米において既に開発されたeHealth Literacy Scale(eHEALS)の日本語版を作成し、我が国におけるその妥当性、信頼性を検討したうえで健康関連項目との関係性を明らかにすることが目的である。社会調査会社にモニタ登録しているインターネットユーザー3,000名(男性:50%、平均年齢±標準偏差:39.6±10.9歳)を対象として横断的にインターネット調査を実施した。eHEALS日本語版は我が国における成人のeヘルスリテラシーを測定するために十分な信頼性と妥当性を有する尺度であることが確認され、男性より女性、20代よりも40~50代、低収入世帯よりも高収入世帯でeヘルスリテラシーが高い傾向にあることがわかった。また、eヘルスリテラシーが高い者は低い者よりも健康に関する情報を得るためにインターネットだけでなく、新聞などといった多様な情報源を活用していた。 eヘルスリテラシーに関する研究をレビューした結果、eヘルスリテラシーが健康行動や健康に関する知識などに与える影響を示した十分な根拠は得られていないことがわかった。そこで、国民の死因として最も高い悪性新生物(がん)の中でも、近年、罹患率の向上が著しい大腸がんの予防行動に着目してeヘルスリテラシーとの関連を検討した。eヘルスリテラシーが高い者は低い者よりも、大腸がんの早期発見・早期治療に必要な大腸がん検診を受診する傾向にあり、大腸がんに関する知識も高いことがわかった。今後はeヘルスリテラシーが低い者に対して、大腸がん検診受診行動を含めた健康行動を促す戦略を検討していくことが必要である。
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Research Products
(3 results)