2011 Fiscal Year Annual Research Report
メタボリック症候群における細胞外スーパーオキシドジスムターゼの役割に関する研究
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22700706
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Research Institution | University of Occupational and Environmental Health, Japan |
Principal Investigator |
亀崎 文彦 産業医科大学, 医学部, 修練指導医 (40535225)
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Keywords | メタボリック症候群 / 細胞外スーパーオキシドジスムターゼ / 酸化ストレス |
Research Abstract |
人体での細胞外抗酸化防御機構において中心的な役割を担っている細胞外スーパーオキシドジスムターゼ(EC-SOD)は、心血管疾患だけでなく高血圧、糖尿病、脂質異常といった様々な疾患の病因・進展に関与している。近年、メタボリック症候群の発症に酸化ストレスの増加が関連することが判明しているが、抗酸化防御機構の関与を検討した報告はない。以上より、本研究では、「メタボリック症候群におけるEC-SODの役割の解明」を目的とする。 本研究は、日本原子力研究開発機構原子力科学研究所に勤務する40歳以上の男性労働者969名のうち、研究参加に同意の得られた840名を対象とし、最終的に、EC-SOD遺伝子変異が疑われる血漿濃度が200ng/mL以上の者、心血管病の既往がある者を除外した799名を検討した。メタボリック症候群は、腹部肥満、中性脂肪高値、HDLコレステロール低値、血圧高値、そして空腹時血糖高値の5項目のうち3項目以上に該当すると診断した。血漿EC-SOD濃度はELISA法で測定した。 本研究参加者のメタボリック症候群有病率は12.6%、平均EC-SOD濃度は56.9ng/mLであった。平均EC-SOD濃度は、メタボリック症候群と診断された群で50.9ng/mLであり、メタボリック症候群と診断されなかった群と比較して低値であった。 本研究は、メタボリック症候群を有する中年日本人男性においてEC-SOD濃度が減少していることを明らかにした。本研究は、依然として解明されていない「メタボリック症候群発症における抗酸化防御機構の関与」を検討する点に意義があり、抗酸化防御機構の修復、特にEC-SODの分泌障害の改善がメタボリック症候群だけでなく生活習慣病に起因した心血管病の新規治療戦略となる可能性があり、重要である。
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Research Products
(9 results)