2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22700713
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Research Institution | Otsuma Women's University |
Principal Investigator |
林原 泰子 大妻女子大学, 家政学部, 助教 (40532362)
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Keywords | 洗濯機 / デザイン / 生活文化 / 生活史 / アンケート / 資料所蔵状況 / データベース |
Research Abstract |
初年度(平成22年度)に計画し,研究計画の一部変更により保留となっていた国内における初期家庭用電気洗濯機所蔵状況に関するアンケート調査を実施した。実施詳細ならびに結果は以下の通り。 1)関連施設の選出:国内博物館・史料館・資料館・美術館その他家電製品を所蔵している可能性のある施設をタウンページより全て抽出し,精査のうえアンケート対象を選出 2)アンケートの実施:アンケートを作成し,1)で選出した施設に対し送付,回答を依頼 3)アンケート回収・データ整理:回収したアンケートデータを整理・一覧化 関連施設の選出に際しては,東京都だけで390施設が抽出された。このことから,本年度は東京都のみを調査対象とし,219施設に対して,昭和40年以前の製造であると考えられる家庭用電気洗濯機所蔵の有無についてアンケートにより回答を求めた。得られた返信は128件で回答率は58.4%,確認された洗濯機は24点である。アンケートでは,所蔵の有無と同時に,洗濯機を含む初期家電製品データベース利用意志の有無についても設問した。その結果,42施設から利用意志ありとの回答を得ている。現在所蔵のない施設においても,データベースを活用することで今後の資料収集や展示に有効なデータを共有することが期待されているといえる。 以上より,本研究の目的としていた,日本の初期国産家庭用洗濯機に関する基礎データの作成について,一定の成果を上げるとともに,家電製品に歴史的価値を見出し今日の生活について考察を行うための史料とするという本研究の視座についてもその有用性を明らかとした。今後も研究を継続し,国内各施設における所蔵状況を一元的に整理・管理するための方法について検証を行い,国内での現存数が限られている家電製品資料の相互扶助による有効活用について,その可能性を検討して行きたい。
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