2010 Fiscal Year Annual Research Report
便失禁ゼロへの挑戦:古典的洗腸を用いた排便コントロール
Project/Area Number |
22700716
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Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
宮野 剛 順天堂大学, 医学部, 准教授 (60529840)
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Keywords | 小児外科 / 便失禁 / bowel management program / 鎖肛 / ヒルシュスプルング病 / 洗腸 |
Research Abstract |
[研究の目的] 鎖肛術後/Hirschsprung病術後/二分脊椎症などの原疾患によって、便失禁症状を呈する患児に対するbowel management programの確立。 [方法] 一日一回、同時刻、同量の同液体・同薬剤を用いた洗腸を行うことによって、24時間便失禁を起こさない状態を維持させる、極めて古典的な手法(便失禁の予防法)。評価項目は、便失禁の有無/副作用の有無/QOL変化(患児自身/患児の家族)に大別し、各々スコア化を行い、一定期間の入院管理の後、外来における定期的経過観察を行う。 [結果] 1.対象患児の選択は終了、臨床計画に沿って順次上記治療を開始する準備を進めている。 2.対象患児、および患児の御家族の中には、一定期間以上の入院、及び厳密な洗腸管理に対して難色を示す方々が予想以上に多く、informed consentには十分な配慮が必要となった。 3.看護師/医師を含めた医療スタッフは、日常医療行為の中での本治療への参加となり、体制の調整には苦慮した。 4.対象患児を受け入れる病棟の体制として、ベッドの確保にも苦慮した。 上記の様な問題点が表面化したが、high volume centerにおける特異的な問題点であるとも考える。 また洗腸管理における技術的な課題として、手技をより簡略化し、更にはコストの削減も必要との見解に至った。 [今後の展望] 上記評価項目に沿って、最低でも6ヶ月間の経過観察を行い、bowel management programに伴う症状(便失禁)の推移を注意深く観察する。また経過観察中の患児や、患児の御家族から提起される問題点に関しても注意深く考察する。便失禁に対する一定期間の評価/考察終了後に、本研究結果の報告への準備へと移行する。
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