2011 Fiscal Year Annual Research Report
便失禁ゼロへの挑戦:古典的洗腸を用いた排便コントロール
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22700716
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Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
宮野 剛 順天堂大学, 医学部, 准教授 (60529840)
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Keywords | 小児外科 / 便失禁 / Bowel Management Program / 鎖肛 / ヒルシュスプルング病 / 洗腸 |
Research Abstract |
「研究の目的」 Bowel Management Program(BMP)とは洗腸を軸としたより厳密な排便管理である。本研究の目的は、世界的に普及を始めたBowel Management Programを日本国内において試行し、患児のQOL向上に関する効果を判定し、更にこのProgramが艮本国内の医療システムに融合する為の課題を含めて検討する。 「研究成果」 プログラム開始時から現在までに、BMPへ参加した患児の基礎疾患と数はHirschsprung病4例(1例が1年以上経過観察)、中間位・高位鎖肛9例(3例)、膀胱・総排泄腔外反症2例(2例)、骨盤内腫瘍1例く1例)。各評価項目における開始1年での平均スコアは、便失禁の有無が0.5⇒3.0(0-5)、副作用の有無が1.5⇒2.0(0-3)、患児のQOLスコアが2.2⇒2.7(0-3)、患児の家族が1.3⇒2.5(0-3)。現時点では、プログラム開始後1年以上経過した患児数が6人と十分ではなく、統計学的処理を行うことは尚早と思われるが、便失禁の有無が平均で0.5から3.0と明らかな改善傾向が示された。また副作用も改善傾向が示され、QOL変化に関しても患児、家族ともに改善傾向を示した。特に家族が感じたQOL指数は、プログラム開始前の1.3から2.5へ比較的顕著に改善した。 「今後の展望」 本プログラムに現時点で参加されている患児の経過観察と長期的な成果の評価を行うことは当然であるが、更に本プログラムの適応(必要性)を持ちながらも現時点で参加を躊躇されている患児に対して、本プログラムにおける、より良い成果、改善されたQOLを示すことで、また患児一人一人の満足と安堵の声を届けることで本プログラムへの参加を改めて促し、更に多くの症例の蓄積を目指す。
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