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2011 Fiscal Year Annual Research Report

不完全雇用社会におけるワーク・ライフ・バランス概念の位置づけ

Research Project

Project/Area Number 22700717
Research InstitutionSenshu University

Principal Investigator

鈴木 奈穂美  専修大学, 経済学部, 准教授 (10386302)

Keywordsワーク・ライフ・バランス / 不安定就労社会 / 生活時間 / ボランティア活動者
Research Abstract

平成23年度は、以下3つの柱に基づき研究を進めた。
第1に、1990年代以降のワーク・ライフ・バランス(以下、WLBという)に関する政策と、2000年代半ば以降のWLBに関する先行研究の動向を整理した。結果、IT化やグローバル化の中で労働の在り方が変化し、仕事と生活の間に深い亀裂が生じるようになった点、「生活の豊かさ」が一様でないという認識が拡大し、多様な働き方に即した多様な生活の在り方が議論されるようになった点などが、WLBの議論の背景にあることがわかった。
WLBが多様性をふまえた概念であるということは、WLBが実現した社会とは、自由な選択を尊重する社会ともいえる。しかし実際の社会では、仕事や生活などで不自由さを抱えており、これがWLBの実現を妨げているところがある。一方で、日本では2000年以降、格差が拡大し、多くの人びとが格差・貧困問題を認識するようになった。格差・貧困問題は、所得など富の配分の問題だけでなく、教育や就労へのアクセス、人間関係などの保有している資源の不平等な配分に起因するものでもある。このような不自由や不平等がWLBの実現を妨げているところがある。そこで、第2に、直接的なWLB研究ではないが、WLBの実現を妨げる一因である格差・貧困問題に関する研究動向(社会的排除/包摂論を含む)、また、これらの問題を引き起こす背景の1つである「生活の個人化」について分析した。
第3に、これまで十分に蓄積されていない広義のWLBについて把握するため、ボランティア活動者のWLBの実態を分析した。使用したデータは、総務省統計局『社会生活基本調査』のミクロデータである。結果、性別・ボランティア活動の有無別で1日の時間配分の特徴をみると、男女とも、ボランティア活動者は非ボランティア活動者と比べ、睡眠時間や消極的余暇時間が短く、積極的余暇時間が長いという傾向があった。また、男性は、ボランティア活動者が、非ボランティア活動者よりも家事労働時間が長いなどの傾向がみられた。

  • Research Products

    (2 results)

All 2011

All Journal Article (1 results) Presentation (1 results)

  • [Journal Article] 釧路市の自立支援プログラムと社会的排除/包摂概念2011

    • Author(s)
      鈴木奈穂美
    • Journal Title

      専修大学社会科学研究所月報

      Volume: No.582 Pages: 36-58

  • [Presentation] ジェンダーアプローチからみるボランティア活動者の時間配分2011

    • Author(s)
      鈴木奈穂美
    • Organizer
      経済統計学会第55回全国研究大会
    • Place of Presentation
      中央大学
    • Year and Date
      2011-09-15

URL: 

Published: 2013-06-26  

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