2010 Fiscal Year Annual Research Report
服育教育に利用可能な客観的評価に基づく教育ツールの開発
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22700723
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Research Institution | Ochanomizu University |
Principal Investigator |
内藤 章江 お茶の水女子大学, リーダーシップ養成教育研究センター, 助教 (70367639)
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Keywords | 服育 / 着装 / 着装規範 / 被服関心度 |
Research Abstract |
近年、衣服の着用に関する公共マナーや社会性が乱れつつあるといわれており、衣服を通して人を育てる「服育」に注目が集まっている。「服育」の中でも、「着こなし方」や「着装衣服と着用場面のふさわしさ」に関する教育は、衣服を通じて周囲に対する礼儀や思いやりの気持ちをはぐくみ、公共マナーや社会性を身につけさせることに有効であるが、各人の主観的判断によるところが大きく、基準や指標等は構築されていない。そこで本研究は、学校教育に服育教育を導入・推進するための服育教育に利用可能な客観的評価に基づく教育ツールの開発を目指し、まずは中学生(369名)、高校生(67名)、大学生(150名)を対象に、着装規範意識と着装に関わる教育経験について調査を行った。その結果、中学生、高校生、大学生における着装規範は「自己アピールと流行」、「機能性」、「社会性」の3因子で構築されていることが明らかとなり、中学生は学校で着装する衣服として「機能性」や「社会性」を重視した方がよいと判断していたが、高校生ではその傾向が弱まり、大学生においては「機能性」をあまり重視せず、「自己アピールと流行」を重視した衣服がふさわしいと判断していることが分かった。着装に関わる教育経験については、中学生、高校生、大学生ともに、約半数の人が「教育経験あり」と回答し、その多くが「両親」から教わったと回答していた。「服の着こなし方」について、何かを参考にしたことはあるか?の問いに対しては「ある」の回答が半数以上を占め、雑誌モデルや友達の着こなしを参考にするとの回答が多かった。これらの結果から、着装規範意識は中学生、高校生、大学生それぞれに「学校」の捉え方が相違し、着装に関わる教育は家庭で行われているものの十分とはいえず、モデルや周囲の友達の着こなしを参考にして着装スキルを習得していることが推察された。
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