2011 Fiscal Year Annual Research Report
服育教育に利用可能な客観的評価に基づく教育ツールの開発
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22700723
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Research Institution | Ochanomizu University |
Principal Investigator |
内藤 章江 お茶の水女子大学, リーダーシップ養成教育研究センター, 助教 (70367639)
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Keywords | 服育 / 適合性 / 着装イメージ / 場面イメージ |
Research Abstract |
本研究は、「服育」の中でも「着こなし方」や「着装衣服と着用場面のふさわしさ」に着目し、それらを評価・判断する基準や指標の構築を目的としている。昨年度は「着こなし方」に関わる中学生、高校生、大学生の着装規範意識と着装に関する教育経験について明らかにし、本年度は「着装衣服と着用場面のふさわしさ」をどのように捉えているのかを明らかにするために、中学生、高校生、大学生による衣服と着用場面の適合性評価を行った。 衣服デザインと場面の適合性について、中学生、高校生、大学生の評価結果(平均値)を用いてコレスポンデンス分析を行い、抽出された第1軸と第2軸を用いて散布図を作成した。その結果、「結婚式」付近に「パーティードレス」、「フェミニンスーツ」が配置され、「葬式や通夜」、「入学試験や就職試験の会場」付近に「パンツスーツ」、「タイトスカートスーツ」が配置された。第1象限と第4象限の中間あたりに「百貨店やデパート」、「自分の家」とその他の衣服(6種類、主にカジュアルウェア)が配置された。衣服の色と場面の適合性についても同様の方法で分析をした結果、「結婚式」の付近にペール(淡い)トーン、「葬式や通夜」の付近に明度の低い無彩色が配置された。衣服デザイン(10種)及び衣服の色(15色)のイメージ評価結果を用いて因子分析を行ったところ、衣服デザインは「落ち着き」、「親しみやすさ」、「ソフトさ」の3因子(累積寄与率86.6%)、衣服の色は「大胆さ」、「洗練性」、「嗜好性」の3因子(累積寄与率94/5%)が抽出された。適合性評価と衣服のデザインイメージ、色彩イメージ、場面イメージの関係を分析したところ、相関関係が認められ、衣服や場面のイメージが適合性を規定する要因となることが確認できた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
計画書の通りに進行しており、結果の蓄積を順調に行っている。これまでの結果を基に、最終年度に服育教育に利用可能な客観的評価に基づく教育ツールを開発する。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでの研究結果をもう一度確認し、調査・実験の対象者や内容を再検討するとともに、最終目的である服育教育に利用可能な客観的評価に基づく教育ツールを開発に邁進する。
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Research Products
(1 results)