2010 Fiscal Year Annual Research Report
中国・内モンゴル自治区における「逆留守子ども」の生活環境に関する研究
Project/Area Number |
22700724
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Research Institution | Nara Women's University |
Principal Investigator |
ヤ ル 奈良女子大学, 大学院・人間文化研究科, 博士研究員 (50570256)
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Keywords | 内モンゴル / モンゴル民族 / 子ども / 生活環境 / 中国 |
Research Abstract |
本研究は、子どもの遊びをはじめ、学校・家庭生活に焦点を当て、牧畜区の子どもの成長発達を応じたかつ伝統文化の継承を配慮した生活環境づくりを検討する。 1.子どもの生活実態 東・西ウジュムチン旗において、子どもが町の親戚の家や家族の誰かと借家をして通学している子どもが多い。夏と冬休みの以外、学校にいる時間が長く、地域の伝統的な祭りや行事の参加ができない。自然環境や居住形態など牧畜区と異なる環境で暮らしているため、遊びも大きく変化している。 2.保護者の意識 子どもが幼い時期から親元を離れ、親として子どもの食事や情緒の安定といった心配があるため、多くの子どもが学生寮に入居しない状況にある。 3.行政側の支援政策 「逆留守子ども」に対し、政府が食費や寮費の助学金制度を行っているが、学生寮は十分に使われていない。支援内容や対象などを増やし、さらに検討する必要がある。 4.学校の教育方針 学校では、モンゴル語による授業を行っている。「モンゴル住居」などの教材をつくり、モンゴル民族の伝統的な文化を教育の一環として、授業で教えている。モンゴル民族の伝統文化の継承教育を重視していることがわかる。
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