2011 Fiscal Year Annual Research Report
健康な高齢者のための外観と安全・機能性を兼ね備えたズボン設計に関する研究
Project/Area Number |
22700726
|
Research Institution | Wayo Women's University |
Principal Investigator |
柴田 優子 和洋女子大学, 生活科学系, 講師 (90549742)
|
Keywords | ズボン / 高齢者 / 着装評価 / 視線追尾 / 着脱 / 重心動揺 |
Research Abstract |
健康な高齢者が活動的に生活するためには、外観と安全・機能性を備えたズボン設計が求められる。これまでは見るからに高齢者らしい画一的なデザインのズボン設計のものが多かった。これを見直すために、衣生活が自立している活動的な高齢女性を調査対象とし、日常着やおしゃれ着として求められる外観について調査したいと考えた。さらに、安全で容易に着脱をするための指標を得るため、ズボンデザインや着脱時の姿勢による着脱の難易性の相違も明らかにしたいと考えた。そこで、以下の調査および実験を実施した。 (1)高齢者が着用しているズボンの実態調査および高齢者のズボンの装いについての若年者と高齢者の審美意識:80歳代の標準的な体型している高齢者をモデルとし、ズボンデザインや丈にバリエーションをつけた実験衣を製作し、着装している様相の写真票を作成した。これを用い、視線追尾システムを使用して外観評価する際に着目している身体部位を調査した。さらに高齢者・若年者各およそ70名にアンケート調査も実施した。 (2)重心動揺計測で試みるズボンデザインおよび着脱姿勢による着脱の難易性の相違: 重心動揺計を用い、高齢者の比較対照として、まずは若年者20名を被験者としてズボンの着脱実験を実施した。実験衣はデザイン(スタンダード・ワイド・スリム)と留め具(前ファスナー・脇ファスナー・総ゴム)の違いで5種類を製作し、ズボンに脚を通す、ぬく際の姿勢として自立した立位・立って壁に寄りかかる・椅子(足が床につく高さ・つかない高さの2種類)に座るといった姿勢でズボンの着脱をしてもらった。その様相はビデオカメラで重心動揺計測と同期をとりながら撮影してあり、現在、継続してデータ解析を行っている。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の予定通り、実験機器を揃え、それを用いて予備実験を重ね、若年者を被験者とした本実験までできた。その結果、高齢者にとって負荷の大きい実験手法がみつかり、全て当初の予定通りの実験方法で進められるという訳にはいかない部分もでてきた。しかし、最終目的を達成するため、できることをできる手法で進めていったことで、次年度につながる実験・調査ができ、初年度としてはまずまずの達成度であると考える。
|
Strategy for Future Research Activity |
初年度に行った実験結果をまとめ、随時、学会発表および論文投稿していく。同時に若年者を被験者として行った実験の結果を踏まえ、高齢者を被験者とする際のより負担の少ない実験条件を設定し、高齢者20名を被験者として若年者と同様の着脱実験を実施する。
|