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2011 Fiscal Year Annual Research Report

天然染料染色における金属使用の低減にむけて

Research Project

Project/Area Number 22700728
Research InstitutionKobe Shoin Women's University

Principal Investigator

古濱 裕樹  神戸松蔭女子学院大学, 人間科学部・生活学科, 講師 (60449874)

Keywords染色 / 繊維 / 草木染 / 天然染料 / 環境
Research Abstract

昨年度に引き続いて、天然染料染色時の金属イオン使用削減にむけて、市販液体染料(コチニール、スオウ)および市販抽出精製物(純度100%とされる食用色素)のラックを用いて、後媒染時の金属イオン濃度と発色の関係を明らかにするための実験を行った。昨年度の、染料植物から熱水抽出した色素溶液を用いた検討と比べ、低濃度の金属イオンでも色彩変化が見られた点は同じであり、やはり金属イオンはごく少量で色素との配位が結ばれることが分かった。ただ、昨年度との相違から新たな課題が明らかとなった。熱水抽出した色素溶液では金属イオンを用いなければ濃色、高彩度には染まらなかったが、液体染料や抽出精製物を用いたものは、金属イオンを全く使用しなくても濃色に、かつ高彩度の発色が生じたことである。現在、この相違の原因および金属イオンがない状態での堅牢性を明らかにするための検討を始めている。
また、金属イオンが繊維に吸着することによる色素配位以外に生じる影響については、昨年度は色彩面について行ったが、今年度は強伸度について検討を行った。綿糸および絹糸に対し、A13+、Sn2+、Cu2+、Cr6+、Fe2+を吸着させ、乾燥(あるいは100℃熱処理)した後の強伸度を島津社製オートグラフにより測定した。その結果、酸化物を生成しやすいFeでは高濃度の処理で繊維の強度を低下させること、逆にSnは絹のミセル間隙に吸着し、あるいは漂白等によって酸化されたセルロースを還元し、強度向上や熱による強度低下を防ぐこと、などの可能性が示唆された。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

当初の予定通り、金属イオンの削減にむけての検討、繊維の物性変化について、研究を進められた。研究を進めていく中で、新たな課題も生まれてきたが、これは研究遂行のうえで当然のことで、これをプラスにし、ますます研究を発展させていきたいと考えている。

Strategy for Future Research Activity

最終年度になるため、一連の研究をまとめる方向、つまりは天然染料の金属イオンの使用について、結論的なものを得られるよう、研究を進めていく。また、これを外部に公開する方法についても考える必要があろう。

  • Research Products

    (1 results)

All 2011

All Presentation (1 results)

  • [Presentation] 天然染料の利用に関する研究-真に環境に優しい天然染料染色を目指して-2011

    • Author(s)
      古濱裕樹
    • Organizer
      日本家政学会被服整理学部会夏季セミナー
    • Place of Presentation
      ホテル横浜ガーデン
    • Year and Date
      2011-08-31

URL: 

Published: 2013-06-26  

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