2010 Fiscal Year Annual Research Report
都市近郊の離島集落における二拠点居住型生活の展開に関する研究
Project/Area Number |
22700729
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Research Institution | Nishinippon Institute of Technology |
Principal Investigator |
八木 健太郎 西日本工業大学, デザイン学部, 准教授 (30352222)
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Keywords | 集落 / 瀬戸内海 / 離島 / 二拠点居住 / 限界集落 |
Research Abstract |
平成22年度は、研究対象として選択した広島県三原市の小佐木島において、お盆の期間を中心として、そのほか島の行事・イベントや連休など、多くの島関係者が島を訪問する機会を選択し、島民並びに島を訪れる家屋所有者など島関係者に対するヒアリング調査を実施した。 これまでに実施したヒアリング調査の結果にもとづき、「都市」と離島の「農村」集落における生活拠点のありかたに着目して、集落での生活に関わる居住者を、生活拠点の所持形態が異なるグループに類型化を行い、集落の持続可能性に関する今後の展望を示した。この成果は、学術論文として平成22年9月発行の論文集に掲載され、11月の国際学会において発表されている。本研究課題が対象とする小佐木島の集落は典型的な限界集落であるが、島民や島からの転出者が、生活拠点の所持形態や主な生活拠点を段階的に移しながら、生活様式を世代間で継承し、集落が存続する可能性のあることが示唆されている。いわゆる限界集落とされる集落が必ずしも消滅に向かうわけではないのではないかとの問題提起がなされており、限界集落や過疎化対策に関する議論に一石を投じるものである。 さらに、生活拠点のあり方に拠る各生活類型ごとの具体的な生活スタイルの特性を詳細に検討しつつ、今後の集落の展望を示すための分析を行なった。この成果の一部は2編の論文としてとりまとめられ、平成23年度日本建築学会大会における学術講演として発表される予定である(投稿済み)。
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Research Products
(1 results)